7月の失業率は3.4%に低下、2カ月連続で48年ぶりの低水準

(オーストラリア)

シドニー発

2022年08月30日

オーストラリア統計局(ABS)は818日、7月の雇用統計を発表し、失業率(季節調整済み)が3.4%だったと明らかにした。前月の3.5%から0.1ポイント低下した。職場における欠員の多さや労働力不足など、労働市場の逼迫が続いており、失業率は19748月以来の最低水準を記録した前月をさらに下回った(2022年7月29日記事参照)。ABS2022630日に発表した求職に関する統計によると、退職者の補充ができないことや、仕事量増加や企業のビジネス拡大などの要因で、欠員が生じている。

就業者数は4900人減少し、前月比0.3%減の1,3558,400人となった。パートタイム労働者が46,000人増加し、フルタイム労働者が86,900人減少した。月間総労働時間は前月比0.8%減の約184,000万時間となり、不完全雇用率は前月から0.1ポイント低下し6.0%と改善した。また、労働力の未活用率は0.2ポイント低下し9.4%となり、引き続き低水準が続いている。

失業率を州別にみると、ほとんどの州が改善し、そのうちタスマニア州(前月比0.6ポイント改善の3.7%)で大きく改善した。続いて南オーストラリア州(0.3ポイント改善の4.0%)、クイーンズランド州(0.2ポイント改善の3.8%)、西オーストラリア州(0.2ポイント改善の3.2%)、北部準州(0.2ポイント改善の3.5%)、ビクトリア州(0.1ポイント改善の3.1%)で緩やかに改善した。ニューサウスウェールズ州では、横ばいの3.3%となった。

ABSは、月間総労働時間数と雇用者数について、20203月時点と今回7月を比較した場合、7月の月間総労働時間(20203月のデータを100とした場合の指数)は4.0%増加、雇用者(同指数)は4.3%増加し、いずれも新型コロナウイルスの感染拡大前の水準以上に回復していると分析している。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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