新型コロナ流行に伴う追徴関税や積み替え、通過貨物にかかる負担軽減措置を延長
(タイ)
バンコク発
2022年07月04日
タイ政府は5月24日、新型コロナウイルスの流行に伴う事業者の負担軽減を目的とし、関税法にかかる2つの緩和措置を延長する省令を閣議決定した。6月24日の官報に掲載された。概要は以下のとおり。
タイでは関税法に基づき、信頼性の高い企業が意図せず関税を過少に支払った場合、自己申告を行って指定期間内に税関に不足分の関税を支払うことが可能となっている。この点、通常、自己申告した場合の追徴関税は、通関日から起算して1カ月当たり不足関税額の0.25%~1%の間で計算されるが(注)、軽減措置により、最も低い水準の0.25%に制限される。この緩和措置の延長を希望する企業は9月30日までに自己申告を行い、納付手続きを行う必要がある。
この救済措置は、2021年6月にタイ商業・工業・金融合同常任委員会(JSCCIB)の要望に政府が応えて実現したもの(2021年6月2日記事参照)で、前回の規定第3/2564号は2022年3月31日に失効し、2回目の延長となる。
(2)積み替え/通過を目的とした一時輸入品にかかる省令第4号/2565号
積み替え貨物や通貨貨物の輸入者が関税法の全部または一部の順守について一時的に免除が認められる措置。通常、輸入者はこれら貨物を国外からタイ国内に持ち込んだ日から起算して30日以内に国外に持ち出す必要があり、そうしなかった場合、貨物はタイの財産として没収される。軽減措置により、30日を経過していても没収を免れることが可能となる。
ただし、輸入者は新型コロナウイルス感染症の流行により規則を順守できなかったという証憑(しょうひょう)を提出する必要がある。積み替え/通過貨物の持ち出し期間の延長は必要に応じて税関長が検討・許可を行うこととなる。同軽減措置は2022年4月1日から9月30日の間、国家の財産として没収対象となる積み替え/通過貨物に適用される。
同措置は新型コロナウイルス発生後に規則の順守が困難になったことを受けて発出された救済措置で、2020年3月26日から開始されており、今回で4回目の延長となる。
(注)課徴金額は2017年制定の基準に基づき、通関日から1年以内に自己申告した場合には不足関税分の0.25%(1カ月当たり)、1年超~2年以内の場合は0.5%、2年超~3年以内の場合は0.75%に設定されていた。
(北見創、シリンポーン・パックピンペット)
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