ベトナム・ビンファストの米EV工場、州政府のインセンティブは12億ドル
(米国、ベトナム)
アトランタ発
2022年07月15日
ベトナムの自動車メーカー、ビンファストは7月14日、米国ノースカロライナ州で建設を予定している電気自動車(EV)の生産工場について、州政府から受け取るインセンティブが総額12億ドル相当に上ることを明らかにした。同州にとっては、過去最大のインセンティブパッケージを提供することになる。
同社は2022年3月、最大20億ドルを投じてノースカロライナ州にEV工場を建設すると発表している(2022年4月4日記事参照)。同州初の完成車工場で、投資額も同州史上最大のプロジェクトとして注目されていた。
インセンティブパッケージには、32年間にわたって支払われる3億1,600万ドルの雇用開発投資補助金(JDIG)のほか、工場建設予定地の用地、道路、上下水道インフラ整備費用(4億5,000万ドル相当)やコミュニティーカレッジでの人材トレーニング費用(3,800万ドル相当)も含まれている。また、工場が立地するチャタム郡から提供される4億ドルのインセンティブも盛り込まれている。
ロイ・クーパー州知事(民主党)は「ノースカロライナ州に良質でクリーンなエネルギー関連の雇用をもたらすビンファストとの提携は(インセンティブに関する)予算案への署名により、重要な一歩を踏み出した」と述べるとともに、「ビンファストがチャタム郡で生産するEVは、温室効果ガス排出量を削減し、ノースカロライナ州をクリーンエネルギー経済のハブにしていくというわれわれの戦略にとって重要な要素」と語っている。
同州は全米の中でもビジネス環境の優れた州の1つで、ニュース専門放送局CNBCが発表した2022年ランキングでは総合1位を獲得した(2022年7月14日記事参照)。また、クリーンエネルギーを積極的に推進しており、トヨタが2021年12月に同州での建設を発表したEV用バッテリー工場では、再生可能エネルギーが100%使用される予定だ(2021年12月7日記事参照)。
(高橋卓也)
(米国、ベトナム)
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