米シェブロン、パーミアン盆地で石油ガス増産へ

(米国)

ヒューストン発

2022年06月17日

米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サンラモン)は6月16日、パーミアン盆地での2022年の生産量見通しについて、前年比15%以上の増加となる日量70万~75万バレル(石油換算相当)に上方修正した。同盆地はテキサス州西部とニューメキシコ州南東部の一部にまたがる広大な地域で、国内有数のシェールオイルとシェールガスの生産地として知られている。

シェブロンは、米国の戦略的目標の達成に貢献するため、2025年までに同地域で日量100万バレル(石油換算相当)まで生産量を引き上げることを目指している。生産の安定に向けた取り組みの1つが、DUC(Drilling but UnComplete)と呼ばれる、掘削済みながら未完成の状態の坑井を保有しておくことだ。需要が増加した際に新規の坑井を掘削するには新たな投資が必要で、生産の開始までに相応の時間も必要になるため、完成間近の坑井を維持することで、需要増に対し機動的に供給を行えるのがこの戦略のメリットだ。

シェブロンのマイク・ワース会長兼最高経営責任者(CEO)は「シェブロンは、米国内の石油・ガス供給を拡大する役割を担っている」と述べている。ジョー・バイデン米国大統領は6月15日、同社やエクソンモービルなど石油大手7社に書簡を送付し、石油の生産と供給を即時に増やすよう要請していた(2022年6月16日記事参照米エネルギー省、石油戦略備蓄から4,500万バレル売却、カジノ)。

シェブロンによると、同社は世界各国で上流事業を通じて、業界平均を大幅に下回る炭素強度でエネルギーを生産している。また、米国では、陸上の自社のメタンガス強度は業界平均より85%低く、パーミアン盆地での炭素強度は全世界の業界平均より約3分の2低いとしている。

(沖本憲司)

(米国)

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