バイデン米大統領、石油会社に増産を促す書簡を送付、エクソンは反論
(米国)
ヒューストン発
2022年06月16日
米国のジョー・バイデン大統領は6月14日、石油大手7社(エクソンモービル、マラソン、バレロ・エナジー、フィリップス66、シェブロン、BP、シェル)に対して書簡を送付した。本書簡では、ガソリン、ディーゼルおよびその他精製品の供給量を増やすために、各社に対して即時の行動を求める一方、連邦政府は製油所の能力と生産量を高めるため、追加の緊急権限を行使する用意があると記されている(CNN6月15日)。
これを受けて、エクソンモービルは6月15日に声明を発表し、「当社は、米国の石油およびガス供給を開発するために、他のどの企業よりも多くの投資を行っていることを理解してもらうため、バイデン大統領および大統領のスタッフと定期的に連絡をとってきた」と述べた。その上で、「われわれは米国内で、過去5年間に500億ドル以上の投資を行い、石油の国内生産量はおよそ50%増加した。また、全世界で、過去5年間に550億ドルの純利益を上げているが、その約2倍にあたる1,180億ドルの投資を行っている」として、同社の近年の実績を強調した。そのほかにも、「米国内において、軽質原油の精製能力を日量約25万ドル分増やすための投資を行っている。『新型コロナ禍』により、200億ドルの損失を出し、300億ドル以上の資金を借用したが、投資は継続してきた」と記述されている。
エクソンモービルは、声明の中でバイデン政権に対する提言も行っており、短期的には、ハリケーンなどで供給が途絶した際の緊急事態にしばしば実施される、ジョーンズ・アクト法(注)の規定の免除や、燃料仕様の制定を挙げた。また、長期的には、米国内での資源開発を支援するための明確かつ一貫した投資の促進が必要と述べている。
(注)1920年商船法のこと。米国内の地点間の物品輸送を行う船舶は、米国船籍、米国人配乗、米国人所有、米国建造でなければならないと定めている。
(沖本憲司)
(米国)
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