ウクライナ情勢受け、日用食料品の価格が上昇

(英国、ロシア、ウクライナ)

ロンドン発

2022年06月06日

英国国家統計局(ONS)は5月30日、2021年4月から2022年4月までの食料品価格の分析を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注1)。ONSは、英国の大手スーパーマーケット7社のオンラインサイトで販売されている30品目の日用食料品・飲料(注2)を対象に、各商品の最安値の相場を収集し分析(注3)。英国では消費者物価指数(CPI)が記録的な上昇をみせているが(関連カジノ ブラック ジャック)、今回の分析では30品目中13品目の平均最低価格の上昇率が、4月の食品・非アルコール飲料のインフレ率(前年同月比6.7%)を上回ったとしている。一方で、食品ごとにばらつきもみられ、1年間で15%以上の値上がりした食料品もあれば、値下がりした食料品もあったとしている。

商品別にみると、パスタは2022年4月に前年同月比50%増(500グラム当たり17ペンス増)(約27円、1ポンド=100ペンス、1ポンド=約160円)、ポテトチップスは17%増(150グラム当たり12ペンス増)、パンは16%増(800グラム当たり7ペンス増)、牛ミンチは16%増(500グラム当たり32ペンス増)、コメは15%増(1キロ当たり12ペンス増)となった。一方、ジャガイモは14%減(2.5キロ当たり12ペンス減)、チーズは7%減(255グラム当たり7ペンス減)となった。また、2022年3月から4月にかけて大きく値上がりした製品としては、シリアル(6%)、冷凍ミックスベジタブル、植物油(ともに5%)が挙げられる。国連食糧農業機関(FAO)の4月8日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ヒマワリ種子油の世界最大の輸出国であるウクライナがロシアによる侵攻を受けた影響で、植物油価格指数が23.2%上昇した。同国はトウモロコシや小麦などの穀物の主要産地でもあり、これらも価格が高騰している。4月23日付「スカイニュース」によれば、英国で消費される植物油も多くがウクライナ産で、侵攻以降、植物油の価格高騰が指摘されている。

英国スーパーマーケットチェーンのアズダは5月30日に、低価格帯商品の新ブランド「Just Essentials by Asda」の発売を開始することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。アズダのサム・ディクソン副社長は新ブランドについて、顧客の10人中9人が生活費の危機を懸念している状況を踏まえ、従来の商品と同じ価値で多様な商品を提供するために開発した、と述べている。英国スーパーマーケットチェーンのセインズベリーズは5月30日、生活必需品などの主要商品に焦点を当て、価格を抑えるために2021年度から2023年3月までに総額5億ポンドを投じると発表している。

(注1)ロンドンの農林水産物・食品市場価格についてはジェトロ「カジノ ブラック ジャックマーケティング基礎情報(2021年6月)PDFファイル(0.0B)」も参照。

(注2)果物、野菜、基本の常備食料品、冷凍食品、肉、魚を含む。

(注3)ONSは、各社のウェブサイトの価格を基に分析しており、店頭での価格などは考慮されていないとしている。また、あくまで価格に基づいた分析で、実際の売り上げは踏まえていないとしている。

(島村英莉)

(英国、ロシア、ウクライナ)

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