トルクメニスタン領内の外国トラック輸送が再開

(ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、イラン)

タシケント発

2022年06月14日

ウズベキスタン運輸省は6月4日、トルクメニスタン政府が2022年6月1日から外国の貨物輸送用車両による領土内の通過を許可したと伝えた(「Gazeta.uz」6月6日)。

新型コロナウイルスまん延に伴い、トルクメニスタン政府は2020年4月1日から外国トラックおよびドライバーの同国領内への立ち入りを禁止。これ以降、トルクメニスタンを通過するコンテナトレーラーは、貨物を国内の輸送事業者に引き渡すために国境でトラックのヘッドを付け替える作業が行われており、しばしば輸送の遅滞原因となっていた。

今後、国境でのコンテナの積み替えやトルクメニスタン国内でのドライバーとトラックの経費が不要になることで、輸送コストの引き下げが期待できる。ウズベキスタン大統領府付属戦略・地域間研究所のエルドル・アリポフ所長によると、ウズベキスタンの首都タシケントからイランのバンダレアッバス港までのコンテナ1個当たりの輸送費用は2,600~3,000ドルだった(「Gazeta.uz」2021年2月11日)。

今回、入境禁止措置は撤廃されたが、厳しい制限は残っており、交通警察のエスコートによる隊列移動、停車および運転手の降車の禁止、トラックの消毒清掃などが求められる。貨物の輸送は、ウズベキスタン・トルクメニスタン国境のファラップ検問所(ウズベキスタン側はブハラ州アリャト)と、トルクメニスタン・イラン国境のサラフス検問所(イラン側はラザビー・ホラーサーン州)を結ぶ区間のみが許可されている。

写真 トルクメニスタン側からの貨物を待つウズベキスタンのトラック〔ウズベキスタン・アリャト(2020年5月)、実写 版 ブラック ジャック撮影〕

トルクメニスタン側からの貨物を待つウズベキスタンのトラック〔ウズベキスタン・アリャト(2020年5月)、ジェトロ撮影〕

写真 トラック待機場〔ウズベキスタン・アリャト(2020年5月)、実写 版 ブラック ジャック撮影〕

トラック待機場〔ウズベキスタン・アリャト(2020年5月)、ジェトロ撮影〕

ウズベキスタンのほか、タジキスタン企業も同輸送ルートを利用する可能性がある。タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領は5月30日、イランのイブラーヒーム・ライーシー大統領との会談後の記者会見で「タジキスタンはイランのチャバハール港とバンダレアッバス港の利用に関心がある」と述べている(タジキスタン大統領府ウェブサイト5月30日)。

ウクライナをめぐる紛争の影響で、ロシアを通過して欧州へ向かう国際物流ルートが滞留するなか、中央アジア各国政府とトラック輸送企業は、イランやアフガニスタンを経由し外洋に至る輸送ルートの開拓を急いでいる(関連ブラック ジャック 確率)。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、イラン)

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