ウズベキスタン、南アジア方面への物流ルート構築を急ぐ

(ウズベキスタン、パキスタン)

タシケント発

2022年03月07日

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は3月3日、訪問先のパキスタンの首都イスラマバードで、同国のイムラン・カーン首相と会談した。

会談では両国の経済貿易関係の発展、国連や上海協力機構などの多国間枠組みでの協力、アフガニスタンへの人道支援などについて議論し、会談後には両国間の戦略的パートナーシップのさらなる発展に向けた共同宣言のほか、特恵貿易協定、環境保護、巡礼・観光、鉄道輸送、地域間協力などの分野で10の文書を採択した。

ミルジヨエフ大統領は会談後の会見で、両国は中央アジアと南アジアの接続性を強化する共同輸送事業の実施を加速させることで合意したと述べた。ウズベキスタンからの鉄道貨物がパキスタン経由でカラチ港など国際港へのアクセスが可能となる、テルメズ(ウズベキスタン南部)~マザリシャリフ(アフガニスタン北部)~カブール(アフガニスタン)~ペシャワール(パキスタン)鉄道線の速やかな建設着手が重要と強調している。

同大統領は3月2日、欧米諸国などによる対ロシア経済制裁の影響を軽減すべく、金融システムの持続性や企業活動の安定性、投資事業計画の確実な実施、輸出国のさらなる多様化、輸送物流網の安全性確保、国内雇用の早急な創出、市場価格の急激な変動防止などについて、対策を早急に検討するよう閣僚会議に指示した。外国為替、制裁対象銀行との金融取引、ロシア・黒海経由の欧州への物流、東アジア方面への物流、ロシアなどからの労働移民の帰国、輸入食糧価格への影響などが念頭にあるとみられる。

(高橋淳)

(ウズベキスタン、パキスタン)

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