因縁の米ジョージア州共和党予備選、ブラック ジャック 勝ち 方
(米国)
アトランタ発
2022年05月26日
米国ジョージア州で5月24日、2022年11月の中間選挙に向けた候補者を決める予備選挙が行われた。注目を集めたのが、共和党現職に対してドナルド・トランプ前大統領が支持する候補者が挑むかたちとなった知事職と州務長官職だ。いずれも現職が勝利した。
トランプ氏にとってジョージア州は、2020年11月の大統領選挙の因縁の場だ。開票率99%の時点で民主党のジョー・バイデン候補(当時)に逆転を許し、最終的に1万1,779票、得票率で0.23ポイントの僅差で敗れた。トランプ氏はブライアン・ケンプ知事(共和党)に対し、選挙結果を覆すための州議会開催の要請に応じなかったと抗議し、ツイッター上で辞任を要求。州の選挙管理責任者であるブラッド・ラフェンスパーガー州務長官(共和党)に対しては、結果を覆せるだけの数の票を見つけるよう電話で要求したものの、同長官はこれを拒否、刑事捜査にまで発展する事態となった。
共和党の知事予備選では、現職のケンプ氏が得票率73.7%で、前連邦上院議員のデビッド・パーデュー氏(得票率21.8%)に圧勝した。パーデュー氏は2021年1月に実施された上院議員の決選投票で民主党のジョン・オソフ氏に敗れた後()、トランプ氏から擁立されるかたちで2022年の知事選に立候補。予備選直前まで2020年の大統領選挙では不正があったとの主張を繰り返した。2021年1月の上下両院合同本会議で大統領選挙結果を公式に認定したマイク・ペンス副大統領(当時)がケンプ氏を支持していたことから、ジョージア州の知事予備選はトランプ氏対ペンス氏の「代理戦争」とも報じられていた。
今回の予備選結果を受け、11月の知事選は再び共和党ケンプ氏と民主党候補となったステイシー・エイブラムス氏との対決となる。前回2018年の選挙では、1.4ポイントの僅差でケンプ氏が勝利している。
州務長官の共和党予備選は接戦が予想されていたが、現職のラフェンスパーガー氏が得票率52.3%で、トランプ氏が支持する連邦下院議員のジョディ・ハイス氏(得票率33.4%)に勝利した。トランプ氏による最大の標的と言われていたラフェンスパーガー氏の勝利は、複数の主要メディアにより取り上げられ、「政治ウォッチャーはこの予備選について、2020年の大統領選挙でトランプ氏と同氏支持者が広めてきた嘘がどこまで耐えられるのかを試す重要なテストになるとみていた」(NBCニュース5月25日)と報じられている。民主党予備選では過半数を獲得した候補者はおらず、6月21日に決選投票が行われる。
連邦上院議員の共和党予備選では、トランプ支持の候補者が勝利した(2022年5月26日記事参照)。
(高橋卓也)
(米国)
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