欧州バッテリー関連11業界団体、ブラック ジャック サイト
(EU)
ブリュッセル発
2022年02月01日
欧州委員会が2020年に提案したバッテリー規則案(欧州委、ブラック ジャック ランキング)について、欧州のバッテリー・バリューチェーンを構成する業界団体が1月28日、規則案についての共同政策提言書を発表した(プレスリリース)。提言を行ったのは、非鉄金属業界団体EUROMETAUX、産業用バッテリーメーカー団体EUROBAT、欧州自動車工業会(ACEA)、バッテリーリサイクル業界団体のEBRAなど、バリューチェーンの川上から川下に位置する業界およびリサイクル業界の11団体。
欧州委案について、欧州議会およびEU理事会(閣僚理事会)で審議が行われているが、11団体は両者の修正提案の中には、バッテリータイプやその用途の特殊性、バッテリー市場の急速な変化を見落とし、脱炭素化への貢献や欧州の産業力の強化といった改正案の包括的な目標に逆行するような案が含まれている、と懸念を示した。影響評価や綿密な分析に基づかない、目標の引き上げや時期の前倒し、対象範囲の拡大は、EUの産業競争力の低下と運輸、エネルギー、産業部門の電化を遅らせる可能性があり、結果としてEUの気候目標の達成にも影響を及ぼす可能性がある、と警鐘を鳴らした。そして、(1)リサイクルされた原材料の使用量、(2)製品の設計要件およびセカンドライフ(リサイクル)、(3)原材料のリサイクル、(4)カーボンフットプリント、性能や耐久性に関連する基準の設定、(5)有害物質の規制、の5つの主要分野における提言を行った。
市場の現状や影響評価の結果に基づく目標の設定を求める
例えば、(4)カーボンフットプリント、性能や耐久性に関連する基準の設定について、欧州委案では、全ての電気自動車(EV)用バッテリーおよび2キロワット時(kWh)以上の産業蓄電池を対象とするとしている。欧州委の設定に疑問を呈した上で、11団体は欧州議会などが対象の拡大を提案したことについて、たとえ同じタイプのバッテリーであっても、機能や技術要件は大きく異なり、全てのバッテリーに同じ基準・上限値を設けることは不可能だと反発した。そこで、カーボンフットプリントの算出方法について、EVや定置型蓄電池は用途に応じた製品カテゴリーごとのルールを定める、また他の製品についてはEUのエコデザイン枠組みと類似する方法を用いて費用効果や温室効果ガス排出削減量を分析し、規制の可否を評価する、などの提案をした。
提言書の結論において、11団体は「規則案はEUの他のイニシアチブにとっての青写真とみなされ、リサイクルされた原材料の使用量やデューディリジェンス、カーボンフットプリントといった分野で、完全に新しい措置が含まれている」が、「そうした措置のテストケースとするには、バッテリー部門は非常に重要かつ戦略的な部門だ」と主張。新たな規制が今後10年間にわたって与える影響を認識して、規制を策定・実施すべきだとした。欧州議会とEU理事会の提案に沿った方向に議論が進んだ場合、最終的にはEUのバッテリー部門の戦略的自律性を脅かし、脱炭素へ向けた動きを減速させる恐れがあるとして、両者に対してグローバル市場の多様性や変化の速さを理解し、十分な影響評価に基づく目標設定を求めた。
(滝澤祥子)
(EU)
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