ドイツ企業、6割超がサプライチェーン逼迫や価格上昇の課題に直面
(ドイツ)
ミュンヘン発
2022年02月15日
ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は2月11日、2022年年頭の景況感アンケート結果を発表した。6割を超える国内企業が、サプライチェーンの逼迫や価格上昇の課題を抱えていることが明らかになった。
同アンケートは、各地の商工会議所を通じ、約2万8,000社から回答を得たもの。アンケート実施期間は2021年12月末から2022年1月中旬まで。DIHKは今回のアンケートで、サプライチェーンの逼迫について、(1)サプライチェーンの逼迫の課題を抱えているか、(2)サプライチェーンの逼迫の影響を受けた価格上昇の課題を抱えているか、(3)重要な原材料・部材・製品の供給状況改善の見通し、を聞いた。
まず、「サプライチェーンの逼迫の課題を抱えているか」では、全産業(注)の36%が「相当程度該当」、32%が「中程度該当」と回答した。産業部門別では、工業(建設業を除く)の49%、商業(車両修理を含む)の47%が「相当程度該当」と回答し、他の産業部門より多くの企業が課題を抱えていることが明らかになった。また、「サプライチェーンの逼迫を受けた価格上昇の課題を抱えているか」では、全産業の54%が「相当程度該当」、27%が「中程度該当」と回答した。特に、工業(建設業を除く)の75%が「相当程度該当」と回答し、他の産業部門より多くの企業が課題に直面していた。
「重要な原材料・部材・製品の供給状況改善の見通し」については、その改善時期は、もっとも多いのが「2022年下期」で全体の29%、「2023年」が22%となった。一方、「見通せない」とした回答も29%に上った。工業(建設業を除く)では、36%が「2022年下期」の改善を見込んでいる。
2021年12月に発表されたドイツの研究機関、業界団体などによるアンケート結果()でも、部材や原材料の不足状況は2022年に改善するとの見方が多いが、2023年まで続くとの声もあった。今回のDIHKアンケート結果も踏まえると、特に製造業については、状況は2022年下期に改善するも一部は2023年にずれ込むというのが、ドイツ企業がみるメインシナリオといえそうだ。
(注)対象は大企業・中小企業で、分野は製造業・非製造業の両方。調査結果では、企業を「工業(建設業を除く)」「建設業」「商業(車両修理を含む)」「サービス業(商業を除く)」の4部門に分類して、各産業部門の分析を行った。
(高塚一)
(ドイツ)
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