続く部材の逼迫、多くの国内製造業企業に影響

(ドイツ)

ミュンヘン発

2021年12月21日

ドイツ国内では、製造業企業に対する部材や原材料の逼迫の影響が続いている。部材や原材料の不足状況は2022年に改善するとの見方が多いが、2023年まで続くという声もある。

ifo経済研究所は12月14日、冬季経済見通しを発表した(同所プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。2022年のドイツの実質GDP成長率を3.7%と予測し、前回予測()の5.1%から1.4ポイント下方修正した。要因は新型コロナウイルス感染拡大第4波と部材不足による生産減。同研究所は、部材不足による生産減は2022年春から徐々に解消するとみている。また、同研究所は2021年11月29日、原材料不足に関し製造業企業に対して実施した11月のアンケート結果を発表した(同所プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。回答企業の74.4%が部材・原材料の調達で不足や課題を抱えるとした。

ドイツ機械工業連盟(VDMA)は12月14日、9月に続き(関連ブラック ジャック サイト)、国内機械関連企業に対して実施したサプライチェーンに関する緊急アンケート(アンケート実施期間:2021年12月1~3日)の結果を発表した(同連盟プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。回答企業521社のうち84%が原材料の供給網に影響を受けているとした。原材料別の逼迫状況に関する質問では、「電子・電気部品」については、この設問の回答企業506社のうち86%が逼迫状況にあるとし、最も逼迫している原材料となった。VDMAは、今後の見通しについて、原材料の供給逼迫は早ければ2022年第2四半期に解消とする見方が多いとしている。

ケルン経済研究所(IW)は12月10日、国内製造業における部材の逼迫状況に関するアンケート結果を発表した(同所プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。アンケートは11月に、国内2,842社に対し実施した。部材不足の生産への影響については、2021年第4四半期に影響を受けると回答した企業が75%、2022年上半期はそれより多い79%となった。一方、2022年下半期にも影響を受けると見通す企業の割合は70%に減少、2023年にはさらに減り48%となっている。同研究所は、新型コロナウイルス感染拡大を受けた物流や生産の混乱による部材不足は徐々に回復するものの、半導体不足については短期的には解消が見込めないとした。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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