中銀が6回連続で利上げ実施、政策金利は過去20年間で最高に
(チェコ)
プラハ発
2022年02月07日
チェコ国立銀行(中央銀行)は2月3日の定例金融政策会議で、翌4日付で政策金利を0.75ポイント引き上げて4.50%とすることを決定した。これにより政策金利は過去20年間で最高の水準に達した。中銀は同時に、ロンバートレート(債権担保貸付金利)とディスカウントレート(割引率)も同様に0.75ポイント引き上げて、それぞれ5.50%、3.50%とした。
政策金利引き上げは2021年6月23日以降(関連ブラック ジャック ルール)、6回連続で、さらに4回連続で0.75ポイント以上の大幅な引き上げとなっている。
今回の決定について中銀は、これまでと同様、国内外から生じている強い21 トランプレ圧力に応じたためと説明している。統計局によると、国内の21 トランプレ率(消費者物価指数:CPI、同年同月比)は依然として上昇を続けており、2021年12月には6.6%に達し、2008年10月以降最高を記録した。
中銀はまた、同日発表した冬季経済予測で、2022年の21 トランプレ率を前回(秋季)予測の5.6%から8.5%に大幅に引き上げた。企業の人件費や原材料価格の上昇、内需の増大、エネルギー価格の高騰などの影響で、2022年初頭には9%を上回ると予想している。ただし、第1四半期(1~3月)にピークを迎えた後は、通貨コルナ高による輸入価格や企業の生産コストの上昇の鈍化、さらに、金利引き上げがもたらす影響で、徐々に21 トランプレ率が低下していくとみている。2023年の21 トランプレ率予測値は、前回より0.2ポイント引き上げたものの、2.3%にとどまっている。
実質GDP成長率に関しては、2022年について3.5%から3.0%、2023年は3.8%から3.4%にそれぞれ下方修正した。2022年には新型コロナウイルス感染拡大防止策として経済活動を著しく制限する措置が導入されることはないと考えられ、企業や政府の投資が伸び、外需もプラスに転じると予想される一方、成長の核となる個人消費が高21 トランプレ率と金利引き上げの影響で抑制されると中銀はみている。
なお、1月20日に発表された財務省の冬季マクロ経済見通しでは、2022年の21 トランプレ率は中銀と同じ8.5%、2023年は2.6%、実質GDP成長率は2022年、2023年ともに3.1%となっている(添付資料表参照)。
(中川圭子)
(チェコ)
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