2021年の黒字見込み企業は66%、2021年度欧州進出日系企業実態調査

(欧州)

欧州ロシアCIS課

2022年01月18日

ジェトロは1月18日、2021年9月3~24日に欧州進出日系企業を対象に実施した、経営実態に関するアンケート調査の結果を発表した〔「」参照〕。881社から有効回答を得た(有効回答率60.6%)。調査結果概要を報告する(注)。

調査結果によると、欧州進出日系企業のうち、2021年に黒字を見込む企業の割合は65.7%に達し、前年調査から17.2ポイント上昇した。ただし、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年の水準(70.5%)には届かなかった。西欧、中・東欧、英国、EUにおいて前年調査に比べて黒字の割合が増加し、赤字の割合が減少した。また、2021年の営業利益見込みが前年比で「改善」を見込む企業は53.6%で、「悪化」の13.4%を大きく上回る結果となった。

進出国の景気の現状を「良い」「やや良い」とみる企業の割合は、前年調査から32.7ポイント増の40.7%となり、大きく改善した。特に中・東欧では57.3%と、高い結果になった(西欧は38.5%)。今後1~2年の事業展開の方向性についても、「拡大」とする割合が前年調査から11.6ポイント増の47.8%となり、「現状維持」の47.6%をわずかに上回った。前年調査では新型コロナ禍で「現状維持」が「拡大」を抜いたが、再び逆転した。

他方、サプライチェーンの混乱や新型コロナウイルス感染拡大を受けて、欧州進出日系企業は「調達先の見直し」や「販売価格の見直し」を進めていることが明らかになった。見直しの実施時期について、ともに約7割が実施済みまたは2021年内に実施予定と回答した。経営上の問題点(複数回答)においても、製造業では「調達コスト」(37.7%)と「納期」(29.8%)の回答率が前年調査からそれぞれ20.3ポイント、17.6ポイントと大幅に上昇した。原材料調達難による原材料コストの上昇、物流費の高騰、コンテナ不足による納期遅延やリードタイム長期化などが影響を及ぼしたとみられる。

なお、欧州では「オミクロン株」の感染が急拡大しているが、本調査はオミクロン株が世界保健機関(WHO)への報告や感染拡大の前に実施されたため、その影響は反映されていない。

(注)「在英日系企業の約5割が英国への輸入で日英EPAを利用(関連ブラック ジャック 勝ち)」、「5割超がグリーン化投資支援策の利用に関心あり(関連ブラック ジャック 必勝)」、「7割がサプライチェーンの人権を経営課題と認識(関連ブラック ジャック トランプ)」も参照。

(山根夏実)

(欧州)

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