5割超がグリーン化投資支援策の利用に関心あり、2021年度欧州進出日系企業実態調査
(欧州)
欧州ロシアCIS課
2022年01月18日
ジェトロは1月18日、2021年9月3~24日に欧州進出日系企業を対象に実施した、経営実態に関するアンケート調査の結果を発表した〔「」参照〕。881社から有効回答を得た(有効回答率60.6%)。その中から、「脱炭素化(温室効果ガスの排出削減))」および「デジタル化」の状況について紹介する(注)。
脱炭素化(温室効果ガスの排出削減)への取り組み状況については、「すでに取り組んでいる」と回答した企業の割合は40.7%だった。「まだ取り組んでいないが、今後取り組む予定がある」と回答した企業の割合(32.2%)も合わせると、7割に達した。製造業(47.3%)の方が非製造業(35.5%)より「すでに取り組んでいる」との回答した企業の割合が高かった。製造業の中でも、精密機器(88.9%)、輸送用機器(自動車/二輪車、70.0%)、繊維(66.7%)、プラスチック製品(66.7%)、非鉄金属(66.7%)で特に割合が高かった。非製造業では、建設/プラント(71.4%)、電気/ガス(60.0%)で割合が高く、ノンバンク(51.7%)や銀行(44.4%)でも高い割合となった。
脱炭素化に取り組む理由(複数回答)として、回答率が最多だったのは「本社(親会社)からの指示・勧奨」の62.4%で、「進出先の中央・地方政府による規制や優遇措置」(33.6%)、「取引先(非日系)からの指示・要望」(25.5%)が続いた。取り組み内容(複数回答)として、「省エネ・省資源化」が49.7%と最も多く、中でも製造業は60.7%に達した。「環境に配慮した新製品の開発」(38.0%)が次に続いた。「再エネ・新エネ電力の調達」と回答した企業の割合は29.9%となり、そのうち、太陽光(73.3%)と風力(43.9%)の調達が高かった。太陽光を選んだ国は、オランダ(95.2%)、スペイン(88.9%)と続いた。
本調査では、デジタル技術の活用状況についても聞いた。「すでに活用している」と回答した企業の割合は37.4%となった。ブラック ジャック 必勝 法みると、在中・東欧の日系企業(53.5%)の方が在西欧の日系企業(35.3%)より割合が高く、活用が進んでいることがわかる。活用している技術としては、「電子商取引」「モノのインターネット(IoT)」「ロボット」などが挙げられた。「フィンテック」「3Dプリンター」などは今後の活用を検討しているとの回答割合が高かった。デジタル技術を活用する上での課題としては、「人材不足」(45.6%)と「高コスト」(44.9%)が挙げられた。人材不足について、国別ではハンガリー、ポーランド、チェコといった中・東欧が高い回答割合を示した。
EU、各国で、「新型コロナ危機」からの復興に向けた支援策が打ち出されている中、利用に関心の高い支援策(複数回答)を聞いたところ、グリーン化投資支援策が51.2%で最大で、デジタル化投資支援策が31.2%、エコカー購入支援策が30.6%と続いた。グリーン化投資支援策の回答は、前年調査(32.3%)から大幅に増加した。注目しているグリーン、デジタル関連の政策や規則としては、EUでは「自動車CO2(二酸化炭素)排出削減目標」(48.5%)、英国では「電気自動車への移行加速」(60.9%)が最多で、ともに自動車業界におけるEV(電気自動車)シフトへの注目が集まる結果となった。
(注)「2021年の黒字見込み企業は66%(2022年1月18日記事参照)」、「在英日系企業の約5割が英国への輸入で日英EPAを利用(関連ブラック ジャック 勝ち)」、「7割がサプライチェーンの人権を経営課題と認識(関連ブラック ジャック トランプ)」も参照。
(山根夏実)
(欧州)
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