ハイパーブラックジャック、ロックダウン実施
(オランダ)
アムステルダム発
2021年12月21日
オランダのマルク・ルッテ首相とヒューホ・デ=ヨンゲ保健・福祉・スポーツ相は12月18日、記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、12月19日からロックダウンを実施すると発表した。期限はこれまでの夜間ロックダウンなどの措置(ブラック クイーン ブラック ジャック)と変わらず、2022年1月14日まで。オミクロン株がオランダにおいて2021年内に優勢になるとの専門家会議の予測を受け、医療体制のさらなる逼迫が予想されるとして、ハイパーブラックジャックまん延を防ぐことを目的に急きょ決定した。
今回発表された主な措置は以下のとおり。
- 自宅に招くことができる13歳以上の人数は1日2人まで。ただし、12月24~26日、31日、1月1日は4人までとする。また、訪問できるのは1日1世帯まで。
- 屋外に集まれる13歳以上の人数は2人まで。同一住所に住んでいる場合には2人以上も可。
- デリバリーとテークアウトを除き、全ての飲食店は閉鎖。
- 生活必需品を扱わない全ての店舗は閉鎖。ただし、オンライン注文した商品の受領と返品は可能。
- スーパーマーケットや薬局など生活必需品を扱う店舗は午後8時まで営業可能。店内はマスクの着用義務があり、5平方メートル当たり1人に入場を制限。
- ガソリンスタンド、図書館、自動車教習所、公証人事務所、弁護士事務所などは通常の営業が可能。
- 美容院などの非医療の全ての接触サービス、映画館、博物館、劇場、コンサートホール、水泳教室を除く全ての屋内スポーツ施設は閉鎖。
- 屋外スポーツ施設は午前5時から午後5時まで全ての年齢層に開放。18歳以上の人は、1.5メートルの距離を保ちながら2人まででのスポーツが可能。17歳以下は、屋外でのスポーツならびに所属するクラブの試合に参加することが可能。
- 葬儀(100人以下)、食料品を扱う毎週開催の市場、無観客のプロスポーツを除き、全てのイベントは禁止。
教育機関については、2021年12月20日から2022年1月9日まで、中等教育、中等特別教育、中等職業教育(MBO)、高等教育(HBOおよび大学)は休校。既に発表されていた、小学校などの初等教育の休校と同様の措置となる。実習や試験の実施、脆弱(ぜいじゃく)な児童や学生に関しては例外もあるが、原則として、教育機関は冬季休暇後に再開する。再開時期については、政府は遅くとも1月3日までに正式決定する。学童保育についても1月9日まで閉鎖される。ただし、重要な職業に就く労働者の子供、脆弱な子供のための緊急保育は提供される。
政府はワクチン接種について、18歳以上の全ての人に対し、可能な限り早くブースター接種を受けられるようにするとあらためて強調した。できるだけ多くの60歳以上の人が2021年内にブースター接種を終えることができるよう、受け入れ能力が許せば、2022年1月中に予約を確保している60歳以上の人が前倒しで受けられるようにする。対象者には、より詳細な情報が記されたSMSメッセージが送付される予定。また、2022年1月7日ごろ、18歳以上の全ての人に向けてブースター接種のオンライン予約の案内が送られる。1月後半には、最後のワクチン接種または新型コロナウイルスへの感染後から3カ月が経過した18歳以上の全ての人が、ブースター接種の機会を得ることになる。
(下笠哲太郎)
(オランダ)
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