英政府、北アイルランド議定書の交渉状況に関する声明を発表

(英国、EU)

ロンドン発

2021年12月22日

英国のデイビッド・フロスト内閣府国務相(12月17日時点、注)は12月17日、アイルランド・北アイルランド議定書の実施を巡る欧州委員会との交渉経過に関する声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。声明では、英政府が2021年7月に公表した議会提出文書(英政府、ブラック ジャック 必勝)および欧州委が2021年10月に公表した調整案(欧州委、ブラック ジャック アプリ)などをもとに交渉を行ってきたものの、全体として十分な進捗はないとしたうえで、主要な論点に関する評価を行っている(添付資料参照)。このうち、北アイルランドへの医薬品の供給に関しては最も進捗がある分野で、欧州委が同日付で公表した解決策()を建設的な前進となりうるとして前向きに捉えつつも、十分に詳細な精査を行えるほどの文書が提示されておらず、現状では確信を持って判断ができないとしている。

同声明は、英政府が全ての論点にまとめて合意するという従来の姿勢を変更し、優先度の高い個別の論点から暫定的に合意していく準備があること、合意に至ることができない場合は議定書第16条の緊急措置を適用する準備があると言及しながらも、2022年早期の解決が必要として締めくくられている。

また、英政府は12月16日、グレートブリテン島とEU間の輸出入手続きに関する国境運用モデルPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を改定し、EUからグレートブリテン島への輸入に際して2022年1月1日以降に適用される各種手続き(関連ブラック クイーン ブラック)について、アイルランド島(北アイルランドおよびアイルランド)を対象外とすることとした。英政府の12月15日付の声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、この措置は一時的なもので、議定書の実施に関する交渉が合意に至るまで継続させ、今後、変更が発生する際には事業者に十分な猶予期間を与えるとしている。

(注)デイビッド・フロスト氏は12月18日付で国務相の辞任を申し出ており、ボリス・ジョンソン首相は同日付で辞任を受諾、翌19日付でエリザベス・トラス外務・英連邦・開発相 兼 女性・平等担当相が北アイルランド議定書に関するEUとの首席交渉官として就任すると発表された。

(飯田俊平)

(英国、EU)

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