石油大手トタルと米クリーン・エナジー、テキサス州にバイオメタン生産施設建設
(米国、フランス)
ヒューストン発
2021年12月02日
フランス石油大手トタルエナジーズ(本社:パリ、以下、トタル)と米国クリーン・エナジー・フューエルズ(本社:カリフォルニア州ニューポート・ビーチ、以下、クリーン・エナジー)は11月30日、テキサス州フライオナにバイオメタン生産施設の建設を開始すると発表した。バイオメタンは自動車の代替燃料として使用され、道路輸送の脱炭素化に貢献する。
フライオナのデル・リオ・デイリー酪農場に建設予定の本施設では、現地での家畜ふん尿を用いて燃料化することで、年間40ギガワット時以上の発電に使用できるバイオメタンを生産する。バイオメタンは、クリーン・エナジーが保有する燃料ステーションを通じて米国内で供給され、年間200~300台のトラックに再生可能ガスを供給可能だ。
本プロジェクトでは、メタン排出の重要な発生源である牛ふんを処理し、化石燃料を再生可能エネルギーに置き換えることで、年間4万5,000トンの二酸化炭素(CO2)相当量の削減が可能となる。
トタルのグリーンガス・成長分野担当のローレント・ウォルフシェイム上級副社長は「クリーン・エナジーと連携して、デル・リオ・デイリーに初のバイオメタン生産施設を建設することにより、米国バイオメタン市場への参入強化が図れることをうれしく思う」と述べている。
クリーン・エナジーのアンドリュー・リトルフェアー社長兼最高経営責任者(CEO)は「地球上で最もクリーンな燃料の1つである再生可能天然ガスは、温室効果ガスの排出管理や地球温暖化の取り組みに寄与するものだ。デル・リオ・デイリーで再生可能天然ガスを増産させることにより、2025年までに当社の北米の全ての燃料ステーションでカーボンニュートラル燃料を供給するという目標達成に役立つ」と述べている。
トタルは、2020年に操業中のガス施設のメタン排出強度を0.1%未満に下げることを達成した。現在、2020年と比較して2025年に操業中の石油ガス施設からのメタン排出量をさらに20%削減という目標を設定している。
トタルは2021年10月11日に、米国キューナジー(本社:ユタ州オグデン)が開発したメタン排出量を大幅に削減できる革新技術を、テキサス州のバーネット盆地のガス田に導入すると発表している(2021年10月15日記事参照)。
(沖本憲司)
(米国、フランス)
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