フランス石油大手トタルエナジーズ、米テキサス州のガス田にメタン削減技術導入

(米国、フランス)

ヒューストン発

2021年10月15日

フランスの石油大手トタルエナジーズ(本社:パリ)は10月11日、米国キューナジー(本社:ユタ州オグデン)が開発したメタン排出量を大幅に削減できる革新技術をテキサス州のバーネット盆地のガス田に導入すると発表した。キューナジーの革新技術を搭載した設備は動力源をメタンから圧縮空気に置き換えるもので、ガス生産活動中にメタンの大気放出を防ぐことが可能になるという。

2021年3月にバーネット盆地で実施した実証事業で、天然ガスを使用する機器からのメタン排出量を最大98%除去することに成功したという。その後の追加試験の成功を受けて、トタルは2021~2022年にバーネット盆地にキューナジーの空気圧縮設備を100基導入することを決定した。バーネット盆地全体に300基の空気圧縮設備を追加導入した場合には、2024年末までに約7,000トンのメタン削減が可能であると見込まれる。

トタルは2020年に操業中のガス施設のメタン排出強度を0.1%未満に下げることを達成した。現在、2020年と比較して2025年に操業中の石油ガス施設からのメタン排出量をさらに20%削減という目標を設定している。

トタルは世界的な石油・ガス開発企業が構成する「石油・ガス気候変動イニシアチブ」(OGCI、注)の創設メンバーの1社で、OGCIが有する10億ドル規模の気候ファンドからキューナジーに投資している。

OGCIによる最近の投資の事例として、2021年3月30日に、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)を利用して、北米で最も炭素の排出が少ないリオグランデLNG(液化天然ガス)施設を開発するネクストディケードへの投資を発表している(米テキサス南部で北米最大級のCCSプロブラック)。

(注)Oil and Gas Climate Initiative。パリ協定を明示的にサポートし、気候変動への業界の対応を加速することを目的として、2016年に設置され、10億ドル以上のファンドを有している。構成メンバーは、トタルエナジーズをはじめ、アラムコ、シェブロン、エクイノール、エクソンモービル、ペトロブラス、ロイヤル・ダッチ・シェルなど12社。

(沖本憲司)

(米国、フランス)

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