オークランドの新型コロナ対策の制限措置を段階的に緩和

(ニュージーランド)

シドニー発

2021年10月05日

ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は10月4日、オークランドに対する新型コロナウイルスの警報レベルについて、現在のレベル3の制限措置を段階的に緩和する方針を発表した。同国では、オーストラリア・シドニーからもたらされたデルタ型変異株による市中感染が8月中旬から急拡大し、オークランドでは厳格な制限措置を継続していた(2021年9月21日記事参照)。

今回発表した3段階から成るロードマップPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に基づき、オークランドは10月5日午後11時59分からステップ1へ移行する。その後、政府は毎週見直しを行い、次のステップへの移行時期を判断する。各ステップで緩和する主な内容は次のとおり。

  • ステップ1:屋外での集会は2世帯以内かつ最大10人まで可。運動やレクリエーション目的でのオークランド域内の移動が可能。幼児教育施設を再開。
  • ステップ2:小売店の営業再開を許可。プール、図書館、美術館などの公共施設を再開。屋外での集会は最大25人まで可。
  • ステップ3:カフェやレストランでの店内飲食、映画館や劇場などの娯楽施設の営業再開を許可(最大50人まで)。理美容サービスの再開を許可。屋内外での集会は最大50人まで可。

オークランド以外の地域については、現在のレベル2の設定を維持するものの、屋内施設の収容人数制限を撤廃するとした。ただし、ニュージーランド北島のワイカト北西部については、新たに市中感染者が確認されたことから、10月4日から5日間、警報レベル3に引き上げ、制限措置を強化した。なお、政府が認める必須事業に従事し、レベル3となっているオークランドやワイカト北西部とそれ以外の地域の往来が必要な労働者は、過去7日以内の感染検査の受検証明が必要となっている。

アーダーン首相は「オークランドが3段階で制限を緩和した後には、ワクチン接種率に応じた全国的な緩和段階に進む」と述べ、QRコードなどによるワクチン接種証明の導入を検討していることを明らかにした。ニュージーランドでは、2回のワクチン接種を完了した人数が10月4日時点で200万人を突破した。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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