トルコ中央銀行、政策金利を16%に引き下げ
(トルコ)
イスタンブール発
2021年10月25日
トルコ中央銀行は10月21日の金融政策委員会(MPC)で、9月に続いて利下げし、政策金利を18%から16%に引き下げた。これに先立って、エルドアン大統領は14日、中銀の副総裁を含む政策当局者3人を解任しており(10月14日付官報)、利下げそのものは織り込まれていたが、200ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)は市場予測を上回る下げ幅だった。この結果、トルコ・リラは主要通貨に対して史上最安値を更新し、対ドルでは9日間で6.1%安(10月22日段階で1ドル=9.6リラ)、年初からでは23.4%の下落となった。
中銀のカウジュオール総裁は、9月の利下げに先立って政策金利の基準をCPIからコア指数に変更(関連ブラック ジャック ブラック)、その後、さらに資金流通量の修正を行うなど、市場では利下げそのものは織り込まれていた。総裁は「年末までは、供給サイドの一時的な要因により、政策金利をさらに下方修正する余地は限られている」との声明を出したが、市場では利下げとリラ安、インフレ高騰の悪循環が懸念されている。他方、一部財界からは、金利が引き下げられたことで、投資環境が改善し、投資が増え、経済成長に貢献するとみる向きもある。
(中島敏博)
(トルコ)
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