英政府、EUからの輸入手続き緩和措置を2022年7月まで延長
(英国、EU)
ロンドン発
2021年09月15日
英国政府は9月14日、EUからグレートブリテン島への輸入手続きの緩和措置を最長で2022年7月まで延長することを発表した。政府は今回の延長について、欧州のサプライチェーンに影響を与えた世界的な新型コロナウイルスのパンデミックからの回復に際して、企業はさまざまな課題に直面しており、特に10月から衛生証明書要件が導入されることとなっていた農業・食品分野では顕著で、そのような要件への準備期間を確保するためとした。政府は2021年3月に同措置の最長2022年2月までの延長を発表済みだが、さらなる延長を行う。
主な内容は以下のとおり(主要ポイントをまとめた添付資料も参照)。
- 2021年10月1日から導入予定だった衛生植物検疫(SPS)の事前通知要件について、2022年1月1日から導入する。
- 2021年10月1日から導入予定だった輸出衛生証明書の新たな要件について、2022年7月1日から導入する。
- 2021年1月1日から導入予定だった植物検疫証明書と衛生植物検疫(SPS)対象製品の現物検査について、2022年7月1日から導入する。
- 輸入時の安全性・セキュリティー申告(Safety and Security declarations、電子搬入略式申告)について、2022年1月1日からではなく、2022年7月1日から導入する。税関申告と検査は従前の通知どおり2022年1月1日から導入する。
デービッド・フロスト内閣府国務相は声明で「企業には国境での新たな要件への対応よりも、パンデミックからの回復に注力することを期待しており、そのために国境検査に関する新たな現実的導入スケジュールを公表した」「政府として、新たなシステム、インフラ、必要なリソースの提供を継続する」とコメントしている。
英国政府は2020年6月12日、英国のEU離脱の移行期間終了後の2021年1月1日から6月30日の6カ月間にわたり、EUからグレートブリテン島への輸入手続きを段階的に導入すると発表(2020年6月16日、10月15日記事参照)した後、2021年3月11日には、企業の国境手続き変更への準備期間を確保するためとして、段階的導入を2022年2月28日まで延長することを発表していた(関連ブラック ジャック カード)。
(飯田俊平)
(英国、EU)
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