第53回ASEAN経済大臣会合開催、デジタル経済進展へ
(ASEAN)
ジャカルタ発
2021年09月16日
第53回ASEAN経済大臣会合(AEM)が9月8、9日にオンライン形式で開催された。会合後に発表された共同メディア声明によると、新型コロナウイルス禍の中でデジタルを活用した経済回復策に関する議論や、非関税障壁の削減など、ブルネイが2021年のASEAN議長国として経済分野で優先的に取り組む13の事項(優先経済デリバラブル:PED)の進捗状況が報告された。
デジタル関連の取り組み強化
ASEANの経済回復とデジタル経済統合を加速するため、「バンダル・スリ・ブガワン・ロードマップ(BSBR)」が承認された。2021年から2025年にかけ、新型コロナ禍の影響を受けたASEANのデジタル統合とコネクティビティーを強化する計画だ(シンガポール貿易産業省プレスリリース)。さらに、2023年までにASEANデジタル経済フレームワーク協定(DEFA)の制定に向けた調査を実施、2025年までに交渉を開始することで合意した。また、ASEAN電子商取引協定(注)に関しては、10月に開催予定のASEAN首脳会合までに発効を期待するとした。
PEDについて、ASEANで輸入時の手続きなどを簡素化する手段としての「非関税措置(NTM)費用対効果ツールキット(NTMツールキット)」が承認された。また「ASEAN経済共同体(AEC)循環経済フレームワーク」も承認された。同フレームワークはAECにおける循環型経済に関する作業の優先順位付けを行うものと位置付けられている。AEMに先立ってASEAN事務局は6月30日、循環型経済に関するワークショップを開催し、対話国や民間企業など多様なステークホルダーからの支援が重要であるとしている(ASEAN事務局ウェブサイト)。
地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に関しては、目標通り2022年1月1日の発効を期待するとした。
(注)2019年1月にASEAN各国の署名完了後、現在は各国で批准・承認手続きが行われている(2019年4月16日記事参照)。
(上野渉)
(ASEAN)
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