国際モーターショーIAA、モビリティをテーマにミュンヘンで初開催

(ドイツ、世界)

ミュンヘン発

2021年09月14日

ドイツ自動車工業会(VDA)とメッセ・ミュンヘンが共催した国際モーターショー「IAAモビリティ2021外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が、ドイツ・バイエルン州ミュンヘン市で9月7日から12日にかけて開催された。

「IAA」は、1951年から通称「フランクフルト国際モーターショー」としてフランクフルトで開催されてきたが、2020年3月にミュンヘンでの開催が発表されていた(2020年3月16日記事参照)。従来のモーターショーから、モビリティ(移動手段)のプラットフォームというコンセプトが打ち出され、名前も「IAA」から「IAAモビリティ」に変わった。展示される製品は、乗用車に加え、電動アシスト自転車、自転車、ドローンなど「移動」に関する幅広いものになった。新技術を提案するスタートアップ企業も78社が出展した。

また、従来の展示会のように、展示会場で製品を展示するだけでなく、ミュンヘン市中心部に複数の屋外会場が設けられ、製品展示やセミナー、意見交換の場となった。9月7日に展示会場を訪問したアンゲラ・メルケル首相はオープニングスピーチで、「将来のモビリティは皆に関わることであり、IAAが展示会場での専門家の議論にとどまらず、市内で多くの人が議論に参加できるのは大切」と指摘した。

さらには、ミュンヘン市東部に位置する見本市会場と、市内中心部の屋外会場を結ぶ全長約12キロを「ブルーレーン」と名付け、電気自動車、燃料電池車などを試乗できるようにした。メッセ・ミュンヘンによると、38超のモデル合計255台が用意され、約7,000の試乗予約があったとしている。

今回の「IAAモビリティ」には、32カ国から744の出展社および936人のスピーカーが参加した。ドイツの主要自動車メーカーであるBMW、メルセデス・ベンツ、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲンのほか、自動車部品大手ボッシュ、シェフラー、コンチネンタルなどが電気自動車・関連技術を中心に出展した。IAAウェブサイトによると、国別ではドイツが413社(全体の55.5%)で、米国、中国からはいずれも12社だった。日本からの出展はなかった。メッセ・ミュンヘンによると、開催期間中には約40万人の訪問があった。

なお、「IAAモビリティ」は新型コロナウイルスの影響を受けたロックダウン後、初のドイツ国内での大型国際イベントとなった。リアルでもオンラインでも参加可能なハイブリッド型開催にすると同時に、会場では入場時に新型コロナワクチン接種証明書、回復証明書、陰性証明書のいずれかの提示やマスク着用を求めるなど、厳格な感染拡大防止措置がとられた。次回の「IAAモビリティ」は、2023年9月5~10日にミュンヘンで開催される。

写真 ミュンヘン市内中心部の屋外会場の1つ(ブラック クイーン ブラック ジャック撮影)

ミュンヘン市内中心部の屋外会場の1つ(ジェトロ撮影)

写真 展示会場内で開催されたハイブリッド型セミナー(ブラック クイーン ブラック ジャック撮影)

展示会場内で開催されたハイブリッド型セミナー(ジェトロ撮影)

写真 展示会場内の様子(ブラック クイーン ブラック ジャック撮影)

展示会場内の様子(ジェトロ撮影)

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ、世界)

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