ジョンソン内閣改造、トラス国際通商相が保守党初の女性外相に

(英国)

ロンドン発

2021年09月17日

ボリス・ジョンソン英国首相は9月15日、内閣改造を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同政権で初めて改造を行った2020年2月()以来、約1年半ぶりとなった。アフガニスタン問題への対応で批判を浴びていたドミニク・ラーブ外相に代わって、エリザベス・トラス国際通商相を新たな外相に任命。女性外相は英国史上2人目、保守党としては初の起用となった。リシ・スーナック財務相やプリティ・パテル内相などの主要閣僚は留任となった(添付資料表参照)。

ラーブ氏は今回、法相、大法官と兼任で、新たに副首相に任命された。同相はEU離脱(ブレグジット)強硬派として、テレーザ・メイ政権後期にはEU離脱担当相を担当。ジョンソン首相が新型コロナウイルス感染により重症に陥った際には、筆頭国務相として首相の任務を代行するなど、首相とは近い関係にあった。しかし、8月にイスラム主義勢力タリバンが、アフガニスタンの首都カブールを制圧して情勢が緊迫した際()、ブラック ジャック 攻略で休暇中だった同相の対応が後手に回ったとして、世論や野党から非難の声が上がり、辞任を求める声が拡大した。今回の人事は事実上の降格、とメディアは報じている(「フィナンシャル・タイムズ」紙9月15日)。

新たに外相に任命されたトラス氏は、ブレグジット後の通商交渉で存在感を発揮。日英包括的経済連携協定(EPA)の締結(関連ブラック ジャック トランプ)や、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)の加入交渉を開始する()などの実績から、保守党内での評価も高い。トラス氏の後任の国際通商相には、アン・マリー・トレビリアン・ビジネス・エネルギー・産業戦略(BEIS)閣外相が新たに任命された。同相は2020年2月から、国際開発省と外務・英連邦省が統合され、外務・英連邦・開発省となった同年9月まで(2020年6月17日記事参照)、ジョンソン政権で国際開発相を務めており、再びの大臣登用となった。

そのほか、主要閣僚の1人であるマイケル・ゴーブ内閣府担当相は、住宅・コミュニティー・地方政府相に任命された。一方で、ギャビン・ウィリアムソン教育相ら3人が閣外へ更迭された。

前回の改造と同様、今回も全体の3分の1程度の交代にとどまり、小規模な改造となった。

(尾崎翔太)

(英国)

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