テロの可能性を受け、アフガニスタンからの退避終了を発表

(ベルギー、アフガニスタン)

ブリュッセル発

2021年08月27日

ベルギー連邦政府のアレクサンドル・ド・クロー首相は8月26日、アフガニスタンからの国外退避作戦の終了を25日夜に決定したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。クロー首相はその背景について、カブール空港からの退避作戦は開始当初から混乱を極めて危険だったものの、米国ほか複数の国からテロリストによる差し迫った自爆テロの可能性を示唆する報告があるなど、25日に現地の状況がさらに悪化したため、撤退期日としていた8月末の前に作戦を終了すると説明した。また、空港までのアクセスが非常に限られ、少数しか空港内に入ることができないとした。さらに、今後数日間でカブール空港は閉鎖される見込みで、軍や外交官など国外退避が必要な人々の退避ができなくなる状況を避けたいと続けた。

ベルギーは18日から国外退避作戦を開始した。これまで合計約1,400人を出国させ、退避作戦に関わったメンバーも全員が隣国パキスタンのイスラマバードに退避した。一方で、ソフィー・ウィルメス外相は26日、カブールにまだ民間人が残っており、連絡を取っていると説明した。外相は17日、アフガニスタン情勢に関するEU外相理事会の特別会合後のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、最優先事項は自国民と過去20年にわたって支援してくれたアフガニスタン人の避難だとのベルギーの立場を説明していた。同時に、カブール空港へのアクセスを懸念し、必要な限り空港を利用可能な状態に保持することは非常に重要とも訴えていた。

ベルギーはフランスやイタリア、スペインとともに、EU関連機関の職員とその協力者を国外退避させる中で特に中心的な役割を果たした国として、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長はアフガニスタン情勢を議論したG7首脳会議(G7首脳会議、ブラック ジャック)後の記者会見(関連オンライン ブラック ジャック)で感謝の意を表していた。

(大中登紀子)

(ベルギー、アフガニスタン)

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