エチオピアで欧米諸国に対する抗議集会相次ぐ

(エチオピア、米国)

アディスアベバ発

2021年06月02日

エチオピアで、欧米諸国がエチオピア内政に干渉していると抗議する集会が呼び掛けられている。これまで抗議集会は5月21日と30日に呼び掛けられ、事前ブラック ジャック ゲーム ルールでは、それぞれ欧米大使館前やアディスアベバ市内中心部のスタジアムが会場とされた。集会の周辺では道路が封鎖されるほか、事件事故に巻き込まれる可能性が高まることから、その都度、日本大使館が在留邦人や渡航予定者に近づかないよう注意喚起している。

2020年11月に非常事態宣言が出された国内北部のティグライ州(2020年11月9日記事参照)では現在も戦闘があり、例えば2021年5月14日には、国防軍がスーダンを拠点に越境してきた武装勢力を排除したと発表している。国防軍は、この武装勢力がティグライ人民解放戦線(TPLF)幹部を救出にきたとの見方を示している(「リポーター」紙5月15日)。

こうした中でも、国際機関や非政府組織が同州に向けた人道支援を続けており、エチオピア政府もこれまでに支援物資を累計740万人(初回450万人、2回目290万人)に届けており、3回目の配送も計画中だ(「エチオピア・ヘラルド」紙5月26日)。他方、国連は、ティグライ州中央部で180万人余りに支援が届けられないとも報告しており、いまだ近づけない場所があるもようだ。

同州での戦闘が半年以上続く中、国際報道などでは、非戦闘員への人道被害発生の告発もみられている。この問題に高い関心を寄せる米国政府は、5月23日にアントニー・ブリンケン米国務長官名で、ティグライ州を中心とした人道問題への強い懸念を表明するとともに、政府・国防軍、TPLFを含む、紛争当事者双方に対してビザ発給の停止を打ち出した(米国国務省プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。エチオピア外務省は早速、翌24日の報道発表の中で、政府や国防軍関係者をTPLFと同列に扱う米国の対応と内政干渉に不快感を表明した(注)。同発表では、米国の強硬姿勢が続く場合、対米関係の見直しもあり得るとするなど、強い反発を示している。抗議集会の呼び掛けはこうした流れの中にあるといえそうだ。

(注)かつて与党の中枢にあったTPLFは、現在、エチオピア国民議会によってテロ組織に指定されている。

(関隆夫)

(エチオピア、米国)

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