英国インフラ投資銀行を設立、ネットゼロや地域間格差是正へ貢献

(英国)

ロンドン発

2021年06月21日

英国財務省は6月17日、イングランド北部リーズに「英国インフラ投資銀行外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を設立したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同行の構想は2021年度予算案で示され(2021年3月9日記事参照)、野心的なインフラプロジェクトへの投資促進や温室効果ガス排出削減、地域間格差是正などを目的に設立された。

地方自治体や民間企業と協働して、特定のインフラプロジェクトのニーズに沿った投融資や保証など、幅広い資金調達手段の提供を行う。当初の事業規模(投融資など上限額)は、出資50億ポンド(約7,650億円、1ポンド=約153円)、融資70億ポンド、保証100億ポンドを予定し、民間部門と合わせ400億ポンドを超える。民間プロジェクト向け金融から始め、地方自治体への投融資は今夏の開始を予定している。

今般の英国インフラ投資銀行の設立は、今後5年間で6,000億ポンドを超える公共部門投資の実現に向けた政府計画の一環。公共部門への純投資額のGDP比は、1970年代後半以降で最高水準となることを見込んでいる。今後も順次、同行の機能や規模を拡大していく考え。

本店が設立されたリーズからは、歓迎の声が聞こえている。リーズ市のトム・リオーダン事務総長は今般の設立に関して、「リーズおよび(イングランド)北部におけるクリーンエネルギーや交通、住宅への投資計画に合致している」と期待を寄せた。6月17日付の地元紙「ヨークシャー・ポスト」によると、最終的には200人の雇用を創出し、それらの大部分が会長やCEO(最高経営責任者)も含めてリーズ市内に拠点を移すとしている。

(尾崎翔太)

(英国)

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