ドイツ自動車産業連合会、世界の低排出ガス車に関する統計値発表
(世界、ドイツ)
ミュンヘン発
2021年05月10日
ドイツ自動車産業連合会(VDA)は4月23日、2021年9月7~12日にミュンヘンで開催予定の国際モーターショー「IAAモビリティー」(2020年3月16日記事参照)に向け、低排出ガス車〔バッテリー電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)〕に関する主要地域・国の統計値を発表した。
低排出ガス車新規登録台数の2020年末までの累計値をみると、全世界では988万526台となった(添付資料表参照)。そのうち、中国での新規登録台数が419万273台で全世界の42.4%を占めた。欧州(注1)はシェア32.4%の320万1,644台、米国は17.2%の170万825台となり、これら3カ国・地域で世界全体の92.0%を占めた。欧州内では、ドイツ、英国、ノルウェー、フランスの4カ国で欧州全体の62.4%を占めた。
2020年の低排出ガス車の新規登録台数では、欧州が前年比2.4倍の136万8,167台となり、初めて中国(124万6,289台、前年比14.5%増)を上回った。ドイツは前年比3.6倍の39万4,943台で欧州最大となった。米国は前年比5.8%減の30万2,949台にとどまった。これは、VDAによると、助成制度上の支援上限に達したことが影響したという(注2)。
2020年の新規登録台数全体に占める低排出ガス車のシェアでは、ノルウェー(74.8%)を筆頭に(2021年1月19日記事参照)、アイスランド(44.6%)、スウェーデン(32.1%)など北欧諸国が上位を占めた。低排出ガス車のうちのBEVの割合(2020年)をみると、中国が80%、米国が79%だったのに対し、欧州は54%にとどまった。欧州はPHEVのシェアが比較的高い地域といえる。
VDAはこの統計値を毎年発表する予定。
(注1)EU27カ国とスイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン、英国の計32カ国。
(注2)米国では、低排出ガス車の購入者は税控除を受けられるインセンティブ制度があるが、メーカーごとに低排出ガス車の累積販売台数20万台が閾値(いきち)として設定されているため、販売20万台超過後は税控除の幅が段階的に削減される。米国でのシェアが高いテスラや、ゼネラルモーターズ(GM)については、2020年から税控除が適用されない状態になっていた。なお、バイデン政権は新たな普及策を導入するとしている。
(クラウディア・フェンデル、高塚一)
(世界、ドイツ)
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