韓国の現代、米国でのEV生産などに74億ドルを投資へ
(米国、韓国)
アトランタ発
2021年05月20日
韓国の現代自動車グループは5月13日、2025年までに米国での電気自動車(EV)生産などの新事業に74億ドルを投資することを発表した。現代自動車(以下、現代)は米国内でのEV生産開始を2022年に予定するほか、グループ傘下の起亜自動車(以下、起亜)も、今後、米国内でEV生産を行う予定だ。現代はアラバマ州のモンゴメリーに、起亜はジョージア州のウェストポイントに、それぞれ米国内で唯一の完成車生産工場を有している。
今回の発表では、現代と起亜は、市況と米国政府のEV政策を注視しながら米国内の生産設備の強化計画をまとめ、段階的にEV生産を拡大していく予定とするにとどめており、米国内での投資先や新規工場建設の有無といった生産・投資計画の詳細は明らかにしていない。また、地元紙によれば、現代の広報担当が2022年にアラバマ州の工場でEV生産を開始すると述べたという(「モンゴメリー・アドバータイザー」紙電子版5月14日)(注)。アラバマ州の工場では、現時点では、乗用車やスポーツ用多目的車(SUV)が生産されており、2021年6月から新型ピックアップトラックの「サンタクルーズ」の生産も予定している。
今回の74億ドルの投資はEV生産のほか、水素燃料電池(FC)や都市型航空交通(UAM)、自動運転技術といった開発などにも向けられている。燃料電池トラックの商業化や水素ステーションの設置に向けた実証実験、UAM事業に重点的に取り組む子会社のワシントンD.C.での立ち上げなどが予定されている。また、傘下の米国モーショナルと共に、ライドシェア大手リフトの無人タクシーサービスの2023年開始に向けた自動運転技術の向上にも取り組んでいる。
(注)米国南東部では、現代のほかにも、韓国系大手EVバッテリーメーカーのSKイノベーション、LGエナジーソリューションの2社が車載電池工場の建設に大型投資を行うなど(関連カジノ ブラック ジャック、4月19日記事参照)、近年、韓国系企業によるEV関連投資が相次いでいる。
(石田励示)
(米国、韓国)
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