ミャンマー情勢でASEAN緊急首脳会合開催に向けた調整が始まる
(ASEAN、インドネシア、シンガポール、マレーシア、ミャンマー)
ジャカルタ発
2021年03月30日
直近のミャンマー情勢(関連ブラック ジャック ルール)に対し、ASEAN首脳会合の開催が議論されている。3月19日にインドネシアのジョコ・ウィドド大統領が、ミャンマー情勢に対するASEANのハイレベル会合の開催を提案し、他国からも賛同の声や同調する動きが出始めている。
ジョコ大統領は3月19日、オンラインで会見を行い、「これ以上、犠牲者が増えないよう、ミャンマーにおける暴力行為の中止を要請する」とした上で、「ASEAN議長であるブルネイのハサナル・ボルキア国王に、ASEANハイレベル会合の開催を速やかに提案するつもりだ」と述べた。同日、マレーシアのムヒディン・ヤシン首相も声明を発表し、「無防備な市民に対し、いまだに暴力行為が行われ、多くの死傷者が出ていることに大変驚いている」と強い言葉で懸念を表明し、「ASEAN緊急首脳会合の開催を提案したジョコ大統領の声明を強く支持する」と述べた。インドネシアはこれまでも、ミャンマー情勢に対しASEAN非公式外相会合開催を提案、各国との調整を行うなどしてASEANをリードしてきている(ASEAN非公式外相会議、ブラック)。
シンガポール外相も積極外交を実施
シンガポールのビビアン・バラクリシュナン外相は、3月22日から25日にかけて、ブルネイ、マレーシア、インドネシアを歴訪し、各国の外相らとミャンマー情勢や経済対策などにつき意見交換を行った。ブルネイでは、ハサナル・ボルキア国王およびエルワン・ペヒン・ヨセフ第2外相と会談を行い、ミャンマー情勢に対し懸念を表明するとともに、ミャンマーの平常化に向けASEANとしていかに支援を行うか議論した(シンガポール外務省)。インドネシアでは、レトノ・マルスディ外相と会談を行い、両相はミャンマーにおける関係者に対し、民主主義や平和・安定を再度確立させるための対話を促し、さらにASEAN首脳会合の開催に向けた支援を行うことで一致した(インドネシア外務省)。会談後の記者会見で、レトノ外相は「会合は近いうちに開催されるだろう」とした(「ストレーツ・タイムズ」紙3月26日)。
(上野渉)
(ASEAN、インドネシア、シンガポール、マレーシア、ミャンマー)
ビジネス短信 d710471286133516