ミャンマー国軍が権力を掌握、総選挙の新たな開催を明言

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2021年02月01日

ミャンマーの国軍系放送局「ミャワディ」は2月1日、午前8時半(現地時間)に大統領令(1/2021)を発表し、ミャンマー憲法417条および418条の国家緊急事態宣言の規程に基づき、国家の司法・立法・行政の権限が大統領から国軍司令官に委譲されたと報じた。この大統領令は、国軍から選出されたミンスエ副大統領の名前で発令され、同副大統領は暫定大統領となった。

大統領令は、2020年11月の総選挙で国軍などが有権者名簿に誤りを指摘したにもかかわらず、政府および選挙管理委員会は見直しを行わず、同総選挙結果に基づいた議会を当初予定どおり開催しようとしたことなどは民主主義に対する違反だと説明。また、こうした行為は、憲法417条に定める国家主権を強制的手段を用いて奪取することに該当し、民族の団結を喪失させた、などとしている。憲法417条には、国家緊急事態宣言を発表した場合、その有効期限は1年と定められている。

また、国軍司令官房室は声明1/2021(以下、声明)を発表した。大統領令と同様の経緯を説明した上で、選挙管理委員会を新たに設置し、有権者名簿を検証することや、緊急事態宣言に則した法令などに基づき職務を遂行の上、憲法に沿った公正公平な総選挙を新たに開催し、勝利を収めた政党に対して政権を委譲することを発表した。声明では引き続き、新型コロナウイルス感染予防対策や、それによる打撃を受けた経済の回復に取り組むことなども発表された。

(ミャンマー)

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