2021年のGDP成長率目標は約6%に、国会が計画公表
(ベトナム)
ハノイ発
2020年12月07日
ベトナム国会は11月27日、2021年の主要な社会・経済目標の12項目を定めた「2021年社会・経済発展計画」(国会決議124/2020/QH14、11月11日付)を公表した。GDP成長率の目標を約6%、消費者物価指数(CPI)上昇率の目標を約4%に設定した(注)。
2021年の主要な社会・経済発展目標12項目
- GDP成長率は約6%
- 1人当たりGDPは約3,700ドル
- CPI上昇率(年平均)は約4%
- 経済成長対する全要素生産性(TFP)の寄与率は約45~47%
- 労働生産性の上昇率は約4.8%
- 訓練を受けた労働者の割合は約66%。そのうち、訓練を受けた資格・修了証を有する労働者は約25.5%
- 医療保険の加入率は約91%
- 貧困率(多次元貧困の基準に基づく)は1.0~1.5ポイント減
- 集中型給水システムを通じて清潔な水にアクセスできる都市住民の割合は90%以上
- 都市部の日常生活における固形廃棄物の収集・処理の割合は87%以上
- 環境標準を満たす集中型排水処理システムが整備された工業団地・輸出加工区の割合は約91%
- 森林被覆率は約42%
現地の複数の報道によると、GDP成長率約6%の目標について、決議前には一部の国会議員から「少し高いのではないか」との声が上がった。国会経済委員会のブー・ホン・タイン主任は「新型コロナウイルス感染を抑え込みながら6%成長の目標達成は難しく、5%もしくは5.5~6%程度にすべきとの意見もあった」と述べた。一方、国会常務委員会は2020年のGDP推計や国際機関の予測などを踏まえて6%成長の目標を設定したと説明。同時に、感染収束後の経済回復に向けた政府の決意を表す目標になっており、達成するためには政府としても積極的な取り組みが必要だと指摘した。
(注)「2020年の主要な社会・経済発展目標12項目」は2019年12月9日記事参照。2020年のGDP成長率目標は6.8%だった。
(グエン・ラン)
(ベトナム)
ビジネス短信 fbb6ca02cbafa9f6