2020年のGDP成長率目標を6.8%に、政府が社会・経済発展計画

(ベトナム)

ハノイ発

2019年12月09日

ベトナム政府は11月28日、2020年の主要な社会・経済目標の12項目を定めた「2020年社会・経済発展計画」(国会決議85/2019/QH14、11月11日付)を公表した。GDP成長率目標は6.8%、消費者物価指数(CPI)上昇率目標は4%未満など、2019年の目標とほぼ同水準での設定となった(表参照)。

表 主要な社会・経済発展目標12項目の推移

国会の決議に当たり、グエン・スアン・フック首相はGDP成長率6.6~6.8%をはじめ、2019年の社会・経済発展計画で定めた12項目の目標を全て達成もしくは上回る見込みだと報告した。その上でフック首相は、2020年の総括目標として「マクロ経済の安定、インフレの抑制、生産性や競争力などの向上に注力する」との方針を表明した。

これに対し、国会法律委員会のグエン・カック・ディン主任は「2020年は、2011~2020年の10カ年戦略と2016~2020年の5カ年計画の節目の年になるため、目標達成に向けて具体的な行動計画が必要だ」と強調した。ベトナム商工会議所(VCCI)のブ・ティエン・ロック会頭は「世界経済が衰退する恐れのある中、外国直接投資(FDI)に依存しているベトナムは、GDP成長率6.8%の目標達成は簡単ではない」と主張した。

一方、貿易収支はこの4年間、黒字が続いているが、2019年と2020年の目標を赤字に設定していることに関連して、国会経済委員会のブー・ホン・タイン主任は「世界の貿易不振、主要国間の貿易摩擦、保護主義の台頭、製造業の部品輸入依存などの要因から、2020年は貿易赤字になる可能性が高い」と説明した。

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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