12月16日からロックダウン強化、店舗はほぼ全面閉鎖

(ドイツ)

ベルリン発

2020年12月15日

ドイツのアンゲラ・メルケル首相と各州首相は12月13日、ドイツで現在導入されている各種の行動制限措置を12月16日からさらに強化することで合意したと発表した。11月2日に開始した部分的ロックダウン(関連ブラック ジャック web12月2日記事12月7日記事参照)により、新型コロナウイルス感染者数の指数関数的な増加は食い止められ、高水準ながら横ばいの状態が続いていた。しかし、クリスマスを前に人の移動や接触が増加、再び感染者数が増えたため、制限措置強化に踏み切った。

ロベルト・コッホ研究所(RKI)によると、新規感染者数は12月11日に2万9,875人、死亡者数は598人と、これまでの記録を更新。ローター・ビーラー所長は10日の記者会見で、高齢者施設や介護施設のクラスター感染の事例は春の約2倍に達していること、春の全面的ロックダウンでは接触減少率は平均約60%だったのに対し、現在の部分的ロックダウンでは約40%にとどまると指摘し、人との接触を最小限にすることを強く訴えた。また、国立科学アカデミー・レオポルディーナは8日、目前に迫る医療崩壊の回避のため、クリスマスから新年にかけての全面的ロックダウンを提言。専門家からの制限措置強化の提言が相次いでいた。

12月16日からの追加の主な措置は以下のとおり。2021年1月10日まで継続する。

  • 引き続き、友人、親戚および知人との私的な集まりは、自らの世帯ともう1世帯に属する者による最大5人までに制限(満14歳以下の子供は対象外で人数に算入しない)。
  • クリスマス期間中(12月24~26日)は、自らの世帯に加えて親族4人までの集まりが可能。この範囲であれば2世帯以上かつ5人を超えてもよい(満14歳以下の子供は対象外で人数に算入しない)。
  • 小売店:食料品や生活必需品の販売店、銀行、郵便局などを除き、小売店は閉鎖。
  • サービス業:理髪店やマッサージ店などボディケア分野のサービス業は閉鎖。
  • 飲食店:引き続きテークアウトとデリバリーのみ営業可能。その場での飲食と公共の場所での飲酒は禁止。
  • 雇用主:12月16日~2021年1月10日は休暇とするか、在宅勤務により会社を閉鎖しうるかの検討を強く要請。
  • 旅行:引き続きドイツ国内外の必要不可欠ではない旅行の自粛。

今回の制限措置の強化により閉鎖などの影響を受ける事業者への経済支援策として、中小企業や自営業者向けの給付型つなぎ資金第3弾(Überbrückungshilfe III)(ロックダウン延長で給付型の緊急ブラック)の月額最大支給額を20万ユーロから50万ユーロに増額する。

(中村容子)

(ドイツ)

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