欧州委、オンライン ブラック ジャック

(EU)

ブリュッセル発

2020年12月23日

欧州委員会は12月21日、ドイツのバイオ製薬ベンチャーのビオンテックと米国製薬大手のファイザーが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの条件付き販売承認をしたと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これは、同日の欧州医薬品庁(EMA)による承認勧告を受けたもので、EUで初の新型コロナウイルスワクチンの承認となる。ワクチンは12月26日にも出荷される見込みで、27日から29日にかけて、EU加盟国でワクチン接種が順次開始される予定だ。

年明けには、モデルナのワクチンも承認の見込み

今回承認したワクチンのほかにも、EMAは12月1日に、米国のモデルナが開発したワクチンの承認申請を受け付けており、その効果と安全性が認められれば、年明け1月6日にも条件付き販売が承認される見込みだ。また、英国のアストラゼネカと、ジョンソン・エンド・ジョンソン傘下のベルギーのヤンセンファーマがそれぞれ開発するワクチンに関しても、EMAは早期の承認に向け、臨床試験の段階からデータの提供を受ける逐次審査(ローリング・レビュー)を既に開始している。

欧州委は6月に発表したワクチン戦略外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき、全加盟国を代表して、今回のワクチンを含む6件のワクチン事前購入合意(添付資料表参照)を締結している。

欧州委による条件付き販売承認とは、緊急時の迅速な販売承認を可能にする手続きで、EMAがその効果や安全性に対する厳格な審査を実施し、欧州委がEU域内での販売を前提にしたワクチンの承認を行うもの。加盟国による未承認ワクチンの一時的な使用を許可する緊急使用承認とは、明確に区別される。緊急使用承認の審査に必要なデータは、条件付き販売承認に必要なデータの全てを必ずしも求められるわけではなく、また、条件付き販売承認とは異なり、製造元や販売元はワクチンやその安全な利用における責任を負わない。英国が12月2日に実施(2020年12月3日記事参照)したのは、緊急使用承認だ。

(吉沼啓介)

(EU)

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