英政府が米ファイザー・独ビオンテックのワクチン承認、来週にも接種開始へ
(英国)
ロンドン発
2020年12月03日
英国政府は12月2日、米国の製薬会社大手ファイザーとドイツのバイオ医薬ベンチャーのビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの使用を承認したと発表した。来週にも、英国全土で接種が開始される予定。
マット・ハンコック保健・ソーシャルケア相はこれを受け、「春からイースター以降、状況は良くなっていくと確信している。来夏は誰もが楽しめる夏になるだろう」と発言し、深刻な被害をもたらしている新型コロナウイルス感染の終息に期待を寄せた(BBC12月2日)。英国は、両社のワクチンを承認した最初の国となり、先進国の中でも初めて新型コロナウイルスワクチンを承認したことになる。米国とEUも数週間以内の承認を予定している、と各紙で報じられている。
同ワクチンは、最終段階の臨床試験で95%の予防効果を示しており、深刻な副反応なども確認されなかったとしている。他方、同ワクチンは「伝令RNA(mRNA)」をベースとしたもので、摂氏マイナス70度で保管する必要がある。
政府は併せて、ワクチン接種にかかる優先順位を公開した(添付資料表1参照)。高齢者用介護施設居住者とその介護従事者が最優先され、次に80歳以上の高齢者や医療従事者、社会福祉事業従事者が続く。
英国政府は、今回承認したファイザー・ビオンテック連合から4,000万回分のワクチンの供給を確保している。そのほかにも、英アストラゼネカ・英オックスフォード大のワクチン供給が1億回分など、これまでに合計7種類、3億5,700万回分のワクチンを確保している(添付資料表2参照)。
(尾崎翔太)
(英国)
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