乗用車新車販売市場、2021年も減少の見方
(ロシア)
モスクワ発
2020年12月24日
ロシアの自動車市場調査会社アフトスタトは11月25日、同国の2020年の乗用車新車販売台数は前年比10.2%減の143万台にとどまるとの見通しを発表した(添付資料図参照)。「新型コロナ禍」によって第2四半期(4~6月)の販売が大きく落ち込んだほか、消費者需要が中古車にシフトしたことが要因としている。
アフトスタトが開催したオンラインセミナーで、セルゲイ・ツェリコフ社長は、2020年1~10月の乗用車新車販売実績は前年同期比11%減の118万台と報告。新型コロナウイルスの流行拡大による経済活動の諸制限により、前年同期と比べ第2四半期は販売台数が急落したが、第3四半期(7~9月)は増加に転じた。
セミナーに出席した自動車ローンを取り扱う銀行関係者は、第3四半期の販売回復の理由として、ロシア政府による購入支援策(2020年4月28日記事参照)が奏功したことを挙げた。また、低金利の状況下にあることと、通貨ルーブル安による価格上昇を懸念して、自動車といった高価な商品に現金を換える動きが起きたという。自動車ディーラー協会関係者は、急な販売増のため在庫不足に陥っていると述べた。今後、ルーブル為替レートが安定して推移し、駆け込み需要が起きなければ、在庫は2021年第1四半期(1~3月)をめどに適正水準まで戻るとの見方を示した。
アフトスタトは、経済発展省が9月に発表した経済見通し(経済発展省、2020年の経済成長率をカジノ)に基づき、2021年の乗用車新車販売台数が約135万台になると予測した。経済発展省が予測する2021年の経済成長率はプラス3.3%だが(注)、原油価格の低迷と同年秋まで「新型コロナ禍」が継続することを前提として、乗用車市場は縮小するとした。同社分析部のビクトル・プシカリョフ副部長は、原油価格が上昇し、新型コロナ感染拡大を抑えることができれば、152万台まで増加、反対に、原油価格が1バレル当たり40ドルを下回れば、125万台に落ち込むと述べた。
ツェリコフ社長は昨今の市場動向で注目すべき点として、中国ブランド車の販売拡大を指摘した。最も売れている中国ブランドは長城汽車の「ハバル」(関連ブラック ジャック ランキング)で1~10月の販売台数はブランド別で15位。2021年には中国ブランドが上位10位に、2~4年後には同5位に入ると予測した。他方、上位3位は当面、ロシアのラーダ、韓国の起亜、現代が占めるとも述べた。
(注)経済発展省の見通しは9月16日発表のもので、9月下旬以降ロシアで起こっている新型コロナウイルス感染拡大の第2波は考慮されていない。
(エカテリーナ・セミョノワ)
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