カナダ保健省、ファイザーとビオンテックが共同開発した新型コロナワクチンの使用承認
(カナダ)
米州課
2020年12月10日
カナダ保健省は12月9日、米国製薬大手ファイザーとドイツのバイオ医薬ベンチャーのビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの使用を承認したと発表した。このワクチンの使用が認められたのは、英国(12月2日、2020年12月3日記事参照)、バーレーン(12月4日)に次ぎ3カ国目となる。
今回の決定は、カナダ保健省が9月16日に発出した新型コロナウイルス感染症に関連して使用する医薬品の輸入や販売、広告に関する暫定命令に基づく措置となる。ファイザーとビオンテックは7月下旬から米国、欧州、中南米、南アフリカ共和国など150以上の治験施設で、約4万4,000人の治験参加者を対象に、治験用のワクチンを提供しており、カナダでは10月9日に保健省にワクチン使用の申請を行った。保健省は審査の結果、両社が開発したワクチンはカナダ国内で使用するための厳格な安全性と有効性、品質要件を満たしていると判断した。
今回の保健省の決定に先立ち、公共サービス調達省は12月7日、ファイザーから2020年内に最大24万9,000回分のワクチンの提供を受けることで合意したと発表した。カナダ国内の14カ所で接種可能になるという。カナダ政府はファイザーより最大7,600万回分のワクチンを購入することで合意しており、2021年末までに2,000万回分のワクチンの提供を受けることになっている。ワクチンの接種は16歳以上を対象とし、21日の間隔を空けて2回の接種を受ける必要がある。
(中溝丘)
(カナダ)
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