第3四半期のGDP成長率は前期比8.5%、大幅回復も先行きには警戒感
(ドイツ)
ベルリン発
2020年12月02日
ドイツ連邦統計局は11月24日、2020年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(確定値)を発表した。前期比で8.5%(季節調整済み、10月公表の速報値は8.2%)、前年同期比ではマイナス3.9%(同マイナス4.1%)だった。新型コロナウイルス感染の拡大防止のための行動制限導入により、大幅に落ち込んだ第2四半期(4~6月)からの大幅な回復を見せたものの、「新型コロナ危機」直前の2019年第4四半期(10~12月)より4.0%低い水準にとどまった。
需要項目別の内訳を見ると(添付資料表参照)、内需外需とも第3四半期のGDP成長率の大幅な回復に貢献した。4.6ポイントの寄与となった内需では、家計消費の反動増と政府消費支出の下支えにより、最終消費支出が7.6%増(寄与度5.8ポイント)と大きく回復を牽引した。総固定資本形成も、建設投資は2期連続でマイナスと停滞したものの、機械設備投資の大幅な回復により、3.6%増とプラスに転じた(同0.8ポイント)。外需については、第2四半期には大幅に落ち込んだ輸出入ともにプラスに転じたが、18.1%増となった輸出の回復(7.7ポイント)に比して、9.1%増だった輸入の回復(同マイナス3.6ポイント)が緩やかにとどまったため、外需全体(純輸出)では3.9ポイントの寄与となった。
産業別で見ると(添付資料図参照)、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きかった製造業(前期比14.0%増)や卸小売・運輸・飲食業(13.8%増)で最も大きな伸びを示したが、いずれも前年同期比ではマイナスにとどまった。他方、比較的影響の少なかったブラック ジャック トランプ 無料通信業(3.3%増)、不動産業(0.9%増)、金融保険業(0.2%増)などは回復幅も小幅にとどまったものの、水準としては前年同期比で見てほぼ同程度となった。
11月のロックダウンで景況感指数はマイナスに
今回の数値は大幅なプラスとなったが、景気の先行きについては警戒感が増している。ifo経済研究所は11月24日、11月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)が2カ月連続下落の90.7(前月比1.8ポイント減)と発表した。新型コロナウイルス拡大第2波を受けた部分的ロックダウン(都市封鎖)の再導入(2020年10月30日記事参照)が響いた。同研究所のクレメンス・フエスト所長は「サービスセクターでの落ち込みは著しく、DI(注)、は今年6月以来のマイナスに転じた。このセクターの企業の現状評価は悪化している上、今後数カ月について悲観的にみる企業の数が増えた」と述べた。
(注)DI:Diffusion Indexの略。ビジネスの状況を「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を引いた値。
(田中将吾)
(ドイツ)
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