個人・企業支援の4つの経済保護政策を発表

(ハンガリー)

ブダペスト発

2020年12月23日

ハンガリーのオルバーン・ビクトル首相は12月19日、新型コロナウイルス感染の収束が見通せない同国の雇用を守るため、影響を受けた個人・企業を支援する4つの経済保護政策を発表した。

(1)個人・企業のローン返済を2021年7月1日まで猶予

対象は育児家庭や失業者、年金受給者、公務員、収益が25%超減少した企業。なお、個人の場合は自動的に延長が適用される。猶予せずに支払いを継続する際には銀行で手続き。企業については返済猶予を受ける場合は宣言を行う必要がある。

(2)休業を余儀なくされたサービス業に対する賃金補助

11月を対象期間として飲食店や観光業、ホテル業界に対し、賃金の3分の2を補助していた支援策について、12月と2021年1月についても対象期間とするとともに、対象業種にバス会社を追加。

(3)中小事業者などに対する地方事業税を2021年1月1日から半額に

売上高から経費を控除した金額に対し、最大2%を課税する地方事業税について、零細・中小企業および個人事業主に対しては2021年から半額とする。同税は地方税法によって各地方自治体が毎年税率を決定できるが、政府は12月1日に2021年に関しては増税を停止するよう命令していた(2020年12月10日記事参照)。今回、中小企業が「新型コロナウイルス感染拡大の影響に対して最も脆弱(ぜいじゃく)」との判断から、新たな施策に踏み切った。なお、税収が減少する地方自治体に対し、人口2万5,000人未満の自治体は政府からの支援を受けられるとしたが、それ以上の規模の自治体に対しては個別に検討するとした。

(4)育児家庭に対し、住宅のリフォームローンおよび補助金の支給

2021年1月1日から2022年12月31日まで育児家庭での住宅リフォームに対し、最大600万フォリント(約210万円、1フォリント=約0.35円)、最長10年、金利3%の融資を申請可能とする。このうち、300万フォリントは補助金で返済は不要。家族政策を担当するノバーク・カタリン大臣は「このプログラムによって、ハンガリーの家族がより安全でより良い環境で子育てをすることができる」と強調した。

(口田琢仁、末廣徹)

(ハンガリー)

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