地方事業税などの増税を停止
(ハンガリー)
ブダペスト発
2020年12月10日
ハンガリー政府は12月1日、地方自治体に対し増税停止命令を公布し、2021年に新たな税の導入や地方事業税を含む地方税の増税を禁じ、同年は自治体独自の税制優遇措置も継続するよう命じた。
これは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて財政難に陥った自治体が個人や企業に対して負担を強いることを防ぐことを目的としたもの。
実際にブダペスト市11区のウイブダ区では、2021年に建物税を約30%〔1平方メートル当たり年間2,018フォリント(約706円、1フォリント=約0.35円〕〕、土地税を約28%(同年間366フォリント)増税予定だった。
地方税には主に「地方事業税」「建物税」「土地税」があり、「地方税法」により、これら税目の上限率・上限額が定められている。各地方自治体はその範囲内で、採用する税目や税率・税額を毎年決定していた。最も重要な税目は、売上高に課される「地方事業税」だ。地方事業税の課税ベースは、売上高から売上原価・原材料費などの経費を控除したもの。法律で定められている最高税率は2%で、各地方自治体が毎年税率を決定している。
政府は今回の増税停止命令により2021年の地方税を据え置き、国民、家庭と企業の保護を確実にし、減税や補助金によって雇用の維持とハンガリー経済の復興に貢献すると強調した。
(口田琢仁、末廣徹)
(ハンガリー)
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