米大統領選、ジョージア州は手作業で再集計へ、上院2議席は1月に決選投票
(米国)
アトランタ発
2020年11月12日
米国内では大統領選挙で民主党候補のジョー・バイデン前副大統領の当確が報じられているが、僅差のためいまも勝者を確定できていないジョージア州では11月11日(現地時間)、州内選挙管理の最高責任者であるブラッド・ラッフェンスパーガー州務長官(共和党)が手作業による再集計をすることを発表した。
ラッフェンスパーガー州務長官は記者会見で、両者が極めて僅差なことをその理由に挙げ、再集計をすることにより選挙に対する信頼が築けると述べた。CNNの報道によると、開票率99%でバイデン氏が247万1,981票(得票率49.5%)、トランプ氏が245万7,924票(同49.2%)と、バイデン氏が約1万4,000票リードしている。再集計は全ての票を対象に行われる。
なお、ジョージア州法では、両者の差が0.5ポイント未満だった場合には、候補者による再集計の申し立てが認められているため、今回実施する手作業の再集計結果を受け、候補者の求めに応じてさらに再集計が行われる可能性も残されている。
同州では、上院選も投票日から約1週間経っても勝者を確定できていない。こうした中、今回の選挙で上院再選(注1)を目指すデービッド・パーデュー氏とケリー・ロフラー氏(いずれも現職、共和党)は11月9日、連名で声明を発表、選挙の管理が不適切だとし、同じ共和党のラッフェンスパーガー州務長官に辞任を要求していた。声明で両氏は「適正な票は全てカウントされ、いかなる不適切な票もカウントされるべきではない。集計では透明性が確保され、むらなく行われなければならない」と主張していた。
ジョージア州では得票率が過半数に達する候補者がいない場合には決選投票になる仕組み(注2)で、パーデュー氏、ロフラー氏が再選を目指す両議席とも2021年1月5日に決選投票が行われる(関連ブラック ジャック ルール)。CNNの報道によると、11月11日(現地時間)で上院100議席のうち共和党が50議席、民主党が48議席(非改選議席含む)を占め、ジョージア州の残り2議席の行方が注目される。
(注1)うち1議席は、ジョニー・アイザクソン氏(共和党)が任期を2年残して引退したことを受けた補欠選挙(特別選挙)。ケリー・ロフラー氏が現職。
(注2)ただし、大統領選挙は例外で、得票率が過半数に達した候補者がいなくても勝敗が決定する。
(高橋卓也)
(米国)
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