米大統領選、ノースカロライナ、ジョージア両州で大接戦続く
(米国)
アトランタ発
2020年11月06日
米国大統領選挙では、南東部の激戦州フロリダで共和党のドナルド・トランプ大統領が勝利した(注)ものの、そのほかの南東部州のうち、大統領選の勝敗を左右するノースカロライナ、ジョージア両州ではいまだ選挙結果が判明しておらず、大接戦が続いている。
CNNの報道によると、米国東部時間11月5日午後11時時点で、ノースカロライナ州では共和党のトランプ大統領が1.4ポイント(開票率95%)の僅差でリードしている。同州では3日以降に到着した郵便投票の集計を連邦最高裁が認めたことで、最終結果が判明するのは12日以降になる見通しだ。ジョージア州では開票当初はトランプ大統領がリードしていたが、都市部の票と郵便投票が集計されるにつれて民主党のジョー・バイデン前副大統領が追い上げ、両者ともに得票率49.4%(開票率99%)で並んでいる。ジョージア州法では、両者の差が0.5ポイント未満だった場合には、候補者による再集計の申し立てが認められており、申し立てがあった場合にはこちらも最終結果の確定まで時間を要する可能性がある。
ジョージア州では1996年以降6度の大統領選全てで共和党候補が勝利している。しかし、前回選挙時から州都アトランタ市近郊の都市圏で民主党支持層がさらに増えた結果、今回は近年で最も厳しい接戦になった。同州では連邦上院選でも、現農務長官で元ジョージア州知事のソニー・パーデュー氏の従弟にあたる共和党現職のデービッド・パーデュー氏に民主党のジョン・オソフ候補が挑み、大接戦を繰り広げている。米国東部時間5日午後11時時点で、パーデュー氏が2.1ポイントリードしているものの、両者得票率が過半数に達しておらず、2021年1月の決戦投票までもつれる可能性がある。
同州上院選では、ジョニー・アイザクソン氏(共和党)が任期を2年残して引退したことを受けた補欠選挙(特別選挙)も実施されており、両党から複数候補が立候補し1議席を争っている。これについても民主党のラファエル・ウォーノック候補と現職で共和党のケリー・ロフラー氏が得票率で上位2人となったが過半数に満たなかったため、2021年1月の決戦投票に臨むことになる。
下院選では、フロリダ州で民主党の2議席を共和党が奪取したが、ノースカロライナ州で共和党の2議席を民主党が奪った。ジョージア州では、未確定の第7区で民主党が僅差でリードしている。
(注)前回2016年の選挙でトランプ大統領が1.2ポイントの僅差で勝利したフロリダ州(選挙人29人)は、今回もトランプ大統領が得票率51.2%で、バイデン氏に3.4ポイント差をつけて勝利した。リアル・クリア・ポリティクスの11月2日時点の世論調査平均値では、バイデン氏が0.9ポイント差でリードしていたが、それを覆す結果となった。
(石田励示)
(米国)
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