北部治安問題対策で国際社会に支援要請

(モザンビーク)

マプト発

2020年10月12日

モザンビークの独立系メディア「カルタ・デ・モザンビーク」は9月22日、モザンビーク北部で活動している武装勢力への対応を強化するため、同国政府がEUに正式な支援を求めたと報じた。EUなど諸外国はこれまでも同国への支援意思を表明していた(ブラック ジャック ディーラー)が、モザンビークから具体的な要請が出るのは今回が初めてとなる。

ベロニカ・マカモ外務協力相がEU外務・安全保障政策上級代表に宛てた9月16日付の公式文書で、同国テロ対策部隊の訓練や、補給支援、戦闘地帯での医療行為、人員訓練への支援を要請している。EU議会は翌17日、治安状況の悪化に懸念を表明し、支援に関するモザンビーク政府との協議を迅速に進めることなどを盛り込んだ決議を採択した。

決議文書では、8月12日に発生した武装勢力によるモシンボア・ダ・プライア(天然ガス開発プロジェクトの物流拠点となる港町)の占拠について、武装勢力が規模を拡大していることを示唆する内容が取り上げられている。ベルナルド・ラファエル警察長官は9月26日の記者会見で、同港の占拠は解放されたと述べたが、会見までの1カ月以上の間に、周辺の幹線道路や村落では断続的に襲撃が発生していた。

8月以降の武装勢力の動きに警戒を強めているのはEUだけではない。三井物産も参画するエリア1天然ガス田開発コンソーシアム筆頭のフランス資源大手トタルのパトリック・プヤンヌ最高経営責任者(CEO)は9月12日、フィリッペ・ニュシ大統領と北部治安問題について会談を持ち、10月1日の記者会見で欧州諸国へモザンビークへの支援を呼び掛けた(ブルームバーグ10月2日)。

モザンビーク政府も、ニュシ大統領が9月23日の国連総会で公開されたビデオ演説の中で国際社会の支援を受け入れると表明するなど、EUにとどまらない外部からの介入受け入れを本格的に検討しているとみられる。

(松永篤)

(モザンビーク)

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