イスラエルとUAE・バーレーン、平和協定に署名
(中東、アラブ首長国連邦、イスラエル、バーレーン)
ドバイ発
2020年09月17日
イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンは9月15日、それぞれの国交を正常化するための平和協定「アブラハム合意」に署名した。署名は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、UAEのアブダッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン外務・国際協力相、バーレーンのアブドルラティーフ・ビン・ラシード・アル・ザヤニ外相が、仲介役を担った米国のドナルド・トランプ大統領の立ち会いの下、ホワイトハウスで行った。
イスラエルとUAE、米国は8月13日に国交正常化に向けた共同声明を発表しており(2020年8月14日記事参照)、今回の署名はそれを受けたもの。9月11日にはバーレーンもイスラエルとの国交正常化に合意することが米ホワイトハウスから発表され(2020年9月14日記事参照)、4者合同での署名式となった。
署名式の冒頭で4者がそれぞれスピーチを行い、イスラエルとUAE、バーレーンがそれぞれ2国間協定に署名。その後、3カ国は米国とともに「アブラハム合意」への宣言文書にも署名した。イスラエルとUAEの2国間協定の中では、正式な国交樹立と相互の国家承認、それに伴う大使館設置をはじめ、中東地域のさらなる協力関係構築に向けた戦略アジェンダ策定などに加え、15分野(注)での相互連携を進めることが明記された。
8月13日の共同声明の発表以降、既にUAEとイスラエルの間では連携事例がみられ、新型コロナウイルス検査キットの開発協力(オンライン ブラック ジャックへ)や、銀行・金融セクターの協力に向けた合同委員会設立(ブラック ジャック ルール)などが矢継ぎ早に発表されている。
(注)イスラエルとUAEの2国間協定で明記された連携15分野は以下のとおり。
- 金融および投資
- 民間航空
- ビザおよび領事サービス
- イノベーション、貿易、経済関係
- 医療
- 科学、テクノロジー、宇宙の平和利用
- 観光、文化、スポーツ
- エネルギー
- 環境
- 教育
- 海事協定
- 通信、郵便
- 農業、食料安全保障
- 水
- 法的協力
(山村千晴)
(中東、アラブ首長国連邦、イスラエル、バーレーン)
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