イスラエルがバーレーンとの国交正常化に合意
(中東、イスラエル、バーレーン)
テルアビブ発
2020年09月14日
米国政府は9月11日、8月13日に発表されたイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)の国交正常化(2020年8月14日記事参照)に続き、イスラエルとバーレーンの国交正常化が実現したとの声明を発表した。同声明によれば、両国は相互に大使館の設置、全権大使の派遣、直行便の就航などについて合意した。また、この合意は2国間の安全保障や経済分野での関係性を強化するもので、米国は、テロリズムや過激主義に対抗し、経済的な発展と、同地域における新しい平和的なパートナーシップの構築のために努力するバーレーンの人々を引き続き支援するとしている。
また、トランプ米国大統領は自身のツイッター(9月12日付)で、イスラエル、バーレーン、米国による共同声明も発表した。これによれば、9月15日にワシントンで予定されているイスラエルとUAEの合意署名式典への出席要請をバーレーンが受諾したとし、バーレーンのアブドルラティーフ・アル・ザヤニ外相がイスラエルとの合意文書に署名するとしている。これに先立ち、イスラエル首相府は同式典期間中のネタニヤフ首相の訪米を発表している。
ネタニヤフ首相は、駐米イスラエル大使がツイッターに投稿したビデオメッセージにおいて、「われわれは長年、アラブ諸国との国交樹立に努力してきた。第2の国から第3の国までは26年かかったが、第3の国から第4の国はわずか29日で成し遂げた」とし、仲介をしたトランプ大統領とUAEのムハンマド皇太子への感謝を述べた。一方、パレスチナ政府高官はツイッター上で今回の合意を批判し、ハッシュタグ#Bahrainis_against_normalisation(バーレーン人は正常化に反対する)がトレンドになっているとし、バーレーン内に一定の反対層があることを示した。
バーレーンでは9月11日、国営通信が共同声明を報道(バーレーン国営通信)した。声明に先立って行われた電話会談で、ハマド国王が「2国家解決」や国際的な正統性に即した解決策によって、公正で包括的なパレスチナ和平に達する必要性を訴えたとした。声明内では、前年6月に米国の呼び掛けで、同国でパレスチナ支援会議が実施されたことにも触れ、引き続き和平実現に向けた努力を継続していくと言及した。
湾岸協力会議(GCC)諸国では、UAE(連邦外務・国際協力省声明として11日付UAE国営エミレーツ通信)とオマーン(同国政府声明として13日付オマーン国営通信)がそれぞれ、今回の国交正常化合意を歓迎する発表を行っている。
(吉田暢、田辺直紀)
(中東、イスラエル、バーレーン)
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