中小生鮮EC企業、新たに「自社栽培」モデル開始
(中国)
上海発
2020年09月17日
中国の生鮮食品EC「叮トン買菜」(トンは口へんに冬)は9月7日、上海市金山区廊下鎮(以下、廊下鎮)(注)で「スマート農業モデル園区プロジェクト」(以下、プロジェクト)の署名式を行った。
叮トン買菜は2017年5月から上海市を拠点としてスタートした中小の生鮮ECで、現在は上海市以外に、北京市や深セン市など10以上の都市にサービスを提供している。プロジェクトの中で、叮トン買菜は廊下鎮で自社の野菜栽培基地を建設すると発表した(発展目標などは添付資料表を参照)。既に大手EC京東傘下の生鮮EC「京東生鮮」などでは2016年12月から自社栽培した生鮮野菜を販売しているが、叮トン買菜のような中小の生鮮ECとしては初の試みとなる。
生鮮ECが発展する上での問題点として、食品のサプライチェーンや品質管理の難しさが挙げられる(参照)。上海市では10月1日から「上海市食品安全通報奨励弁法」を施行し、食品の安全性にかかる法令違反に対する通報に奨励金を支払う措置を導入する。今後、食品の安全性に対し、より厳しい品質管理が求められることが予想され、叮トン買菜は自社栽培を行うことで食品安全にかかるリスク管理を徹底する。
(注)鎮は県と村の中間の行政単位。
(侯恩東)
(中国)
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