中銀、フィンテック導入支援の第2弾発表

(シンガポール)

シンガポール発

2020年08月19日

シンガポール通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)のラビ・メノン長官は8月13日、金融機関のフィンテック関連のプロジェクト導入や人材育成を支援する「金融セクター・技術イノベーション(FSTI)」の第2弾として、向こう3年間で総額2億5,000万シンガポール・ドル(約192億5,000万円、Sドル、1Sドル=約77円)を投じる計画を発表した。

もともと、MASは2015年6月に金融センターとしての同国の地位強化のため「スマート金融センター」を目指す方針を発表し、フィンテック振興のため総額2億2,500万Sドル(2015~2020年)規模の「FSTI」を導入していた。同庁は今回発表したFSTI第2弾で既存の内容を拡充した。具体的には、金融機関やフィンテック会社がフィンテック関連の実証実験(POC)を行う際、POCの費用に対する助成率を従来の50%から最大70%に引き上げ、助成金の上限も20万Sドルから40万Sドルへと増額した。また、新たに加わったスキームとして、既存のフィンテック分野のイノベーション・ラボが国民を専門職に新規採用した場合、そのコストの50%を助成する。さらに、新たにイノベーション・ラボを設置する場合、その専門職人材のコストの50%を24カ月間にわたり支援する。MASは人工知能(AI)導入を支援する「AI・データアナリティクス(AIDA)助成金」の助成額の上限も100万Sドルから150万Sドルへと引き上げた。FSTIの詳細はMASのウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

世界最大級のフィンテック・フェスティバル、2020年はオンラインとオフラインでの開催に

メノン長官は今回、FSTIの拡充について、世界最大級のフィンテック・イベント「シンガポール・フィンテック・フェスティバル(SFF)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」開催に向けたウェビナーイベントの場で発表した。同庁はSFFを2016年から毎年開催している。2019年のSFFは、企業・産業振興政府機関のエンタープライズ・シンガポール(ESG)と首相府傘下の国家研究基金(NRF)が主催する先端テクノロジー分野のイベント「シンガポール・ウイーク・オブ・イノベーション・アンド・テクノロジー(SWITCH)」と同時開催され、130カ国、約6万人が参加した(関連ブラック ジャック トランプ)。2020年のSFFとSWITCHは12月7~11日に同時開催される。新型コロナウイルスを受け、現場でのイベントとともに、世界のイノベーション拠点を結んでウェブ上のイベントを併催する新しい形式で開催する予定だ。

(本田智津絵)

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