世界最大級のフィンテック・イベント開幕、6万人が登録

(シンガポール)

シンガポール発

2019年11月15日

シンガポール通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)主催によるフィンテック分野のイベント「シンガポール・フィンテック・フェスティバル(SFF)」が11月11日に開幕した。2016年から毎年開催され、国際展示会や会議などからなる世界最大級のフィンテック分野のイベントで、4回目の開催となる。今回は企業・産業振興政府機関のエンタープライズ・シンガポール(ESG)と首相府傘下の国家研究基金(NRF)が主催する先端テクノロジー分野のイベント「シンガポール・ウイーク・オブ・イノベーション・アンド・テクノロジー(SWITCH)」も同時に開催され、両イベントに10日までに130カ国・地域の6万人が参加登録した。

テーマは持続可能性と環境変化

両イベントの共通テーマは、持続可能性と環境変化。オン・イエカン教育相は11日の基調演説で、「アジア、そして世界のグリーンファイナンス(環境問題解決に貢献する金融支援)の主要拠点となるのが目標だ」と述べた。さらに、環境に特化したファンドに投資する総額20億ドル規模の「グリーン投資ファンド」や、金融機関を対象にした「環境リスク管理ガイドライン」を設定する方針など、MASによる一連の環境イニシアチブを発表した。

写真 11月11日からSFFとSWITCHが同時開催。日本パビリオンをはじめ、41の国際パビリオン設置(ジェトロ撮影)

11月11日からSFFとSWITCHが同時開催。日本パビリオンをはじめ、41の国際パビリオン設置(ジェトロ撮影)

今回のSFFとSWITCHには、900以上もの出展者に加え、41の国際パビリオンが設置された。ジェトロは2016年の第1回SFFから日本パビリオンを設置しており、2019年は日本のスタートアップ9社が出展した。イベント期間中にはESGが主催する世界中のスタートアップが参加するピッチ大会「スリングショット」や、フィンテック分野の課題解決を目指すハッカソンなど各種イベントが同時並行で開催される。展示会と会議は11月13日まで開催され、14、15日は国内の53もの先端製造技術、フィンテック・都市ソリューションなどの分野のイノベーション・センターが公開される。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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